2022年6月~2023年6月
Oslo Public Library
オスロ国立図書館
オスロ(ノルウェー)
2020年6月に新しくオープンしたOslo Public Library (オスロ国立図書館)において、北欧での自身初の100 colors シリーズ作品を発表した。
本作品は図書館の3階から5階を貫くメインの吹き抜け空間で来場者を迎える。a-zまでの26文字とノルウェーの特殊文字3文字を用い、約10000個の文字を三次元グリッドに規則正しく配列させ、高さ8mを超える大きな本を思わすボリュームとして空間に浮かせた。
1つ1つのモジュールは、100色から文字をくり抜いた色の形になっており、まるで本から色の文字があふれ出るような空間を表現した。1行1行本を読むように100色のレイヤーが織りなす文字の色の移り変わりを楽しむことができる。また、吹き抜け空間を生かし、3階、4階、5階から、作品を全ての角度から見て、感じることができるだろう。
ノルウェーの美しい光に照らされた作品は、切り抜かれた文字をより際立たせ、光と影と色によって人々にエモーションを与える。文字の中には二人の女の子と猫一匹が迷い込み、来場者に探してもらう遊び心も盛り込んだ。
photo : Øystein Thorvaldsen
100 colorsシリーズについて
2013年から手掛けている「100 colors」インスタレーションは、色の魅力を最大限に表現したくさんの色が溢れだす感覚を体感してもらいたいという思いから始まったプロジェクト。
空間を浮かび溢れ出す100色で構成し、場所によって色の材質や形を変化させ、既存空間に色を重ね合わせている。
1995年に初めて東京を訪れた時、東京の街に溢れる「色」がエマニュエルの心に大きく影響を与えたように、彼女が創り出す色がたくさんの人々の心に届くことで、人々の色に対しての意識が少しでも変わるきっかけになってほしいと願っている。 100色を見て、触れて、心で感じ、色を通してエモーションを感じてもらいたい-この思いを胸に、今後も「100 colors」を世界各地で展開していく予定である。
“はじめて東京の街を見た時、街に溢れている色に衝撃を受け東京に住もうと決めた。
ボリュームの異なる建物、そのスキマに切り取られた空、看板、電線など、街は様々な「レイヤー」で構成され、その中で溢れ出しそうな無数の色が幾重にも重なり合い、複雑な奥行きを作っていた。
東京で感じた「色」と「レイヤー」は私のデザインコンセプト色切/shikiriの原点である。
東京を見て感じた気持ちを大事にして事務所設立10年を向かえた今、色の魅力を最大限に表現して、たくさんの色が溢れ出す感覚を共有したい。
その想いからここ東京で100色の空間を創る。”
エマニュエル・ムホー
(2013年9月)