2017年4月開園
福岡県福岡市中央区草香江
concept : 色の木立
クレシュ六本松は福岡市内の住宅街に位置し、定員90名の園児を受け入れる認可保育園である。子ども達が心身ともに豊かに育つ保育を目指した新たな園の開設に伴い、建築設計と空間デザイン、ロゴのデザインを手掛けた。カラフルな木立に囲まれ、色の中を駆け巡りながら、どこにいてもたくさんの色が感じられることで、子どもたち一人一人の豊かな感性を育むことのできる空間を目指した。
建物のファサードと屋内空間には、たくさんの色が使われ、どこにいても自然と色が目に飛び込んでくる。ファサードには、22色が使われ、高さ4mにもおよぶ63本のマルチカラーの木が、枝をリズミカルに伸ばし、建物を包み込む。全面ガラス張りで開放感を持たせながらも、カラフルな木立で包み込むことで、外部と程良い距離感を持たせ、視覚的にも子どもたちを優しく守っている。屋内の保育室には、25色の園児用ボックス200個が壁面に並ぶ。子どもたちはお着替えや自分の道具を使うたびにボックスを手に取り、色に触れる。4フロアをつなぐ階段は、18色を使用し、上れば上るほどに色が変わり、子どもたちは様々な色に囲まれる。
ツリーをモチーフとした園のロゴもデザインした。ロゴは、館名サインだけでなく、子どもたちのユニフォームや園バスにも使用し、園全体のイメージに統一感を持たせている。
たくさんの色は、子どもたちの感性を無限に広げ、一人一人の個性を引き出してくれる。色に囲まれ、色に触れ、色と共に生活することで、個性豊かな感性を育んでほしい。そんな思いを込めて、大きなマルチカラーの木立は今日も子どもたちの成長を見守っている。
2014
埼玉県川口市上青木
concept : レインボーメロディー
巣鴨信用金庫は「喜ばれることを喜びに」をモットーに「ホスピタリティバンク」目指している。一貫して求められているのは「1秒でも長く居たくなる信用金庫」。
敷地は県道と市道の交差点の角地にあり、車や人、自転車が常に往来する。様々な視点から望むことのできる立地を特徴として捉え、変化する視点によって表情が豊かに変わるリズミカルなファサードをつくりあげた。ファサードのCUBEは4種類の奥行と24色を使用し、見る位置によって様々に変化するよう配置している。12個のCUBEには小さな空中庭園を設け、季節の花々とオリーブやシマトネリコ等の木々で彩っている。CUBEがつくる凹凸から見え隠れする色と草木が、音符のように楽しそうに浮かび、虹色のメロディとなって、建物を目にする人々に癒しと元気を届けることを目指した。
屋内は1階のオープンスペース、2階の融資課と職員用食堂から、庭の表情を別の視点で望むことができる。南に面するファサードから入る日差しは木々によって和らぎ、心地良い木漏れ日となる。内部は動きのある外観とは対照的に落ち着いた雰囲気に仕上げている。
2012
東京都練馬区旭丘
concept : レインボーシャワー
巣鴨信用金庫は「喜ばれることを喜びに」をモットーに「ホスピタリティバンク」目指している。一貫して求められているのは「1秒でも長く居たくなる信用金庫」。
敷地は多くの店舗が並ぶ商店街で、交通量の多い通りと幅員の狭い歩道に面している。街との距離感がとても近い店舗だったため、その雰囲気をカラフルな色と一緒に店舗内に混ざり合うように取り込もうと考えた。建物は敷地境界から2m程セットバックしデッキスペースを設け、そこへ高さ9mのカラフルなスティックを虹のシャワーのように見立て街に余裕と色彩を還元した。
エントランスを入るとそこは店舗内に連続する中庭の一部だと分かる、これも外と内が混ざり合うような仕掛だ。店舗内で中庭を横切るとそこは光溢れ、まるでカフェのような吹き抜けのフリースペースとなる。見上げるとカラフルなスティックと中庭に植わる青竹が呼応するように伸びている。
外部のデッキスペース、内部のフリースペース、外部の中庭、内部の窓口が四層を構成し、この幾重にも重なったレイヤーがガラスに反射し複雑な影と共にさらに混ざり合い奥行き感を出している。
2011
東京都板橋区小豆沢
concept : 虹のミル・フィーユ
巣鴨信用金庫は、「喜ばれることに喜びを」をモットーに「ホスピタリティバンク」を目指している。新座支店、常盤台支店に続き、本支店の建て替えに伴い設計と空間デザインを手掛けた。
虹が現れたようにせり出した12色の層が人々を迎える。夜間、層はLEDでライトアップされ、季節によって光を変えれば様々な風景が楽しめる。
屋内では3つの楕円の吹き抜けに空がぽっかりと切り取られ、優しい光を導く仕掛け。従来の銀行にはない、ほっと深呼吸をしたくなるような時間を過ごしてもらえる。天井にはたんぽぽの綿毛をモチーフにしたデザインが一面に広がる。たんぽぽの綿毛に願いを込めてそっとひと吹き。
※ヨーロッパでは願い事を唱えながら綿毛を吹く習慣があります。
2010
東京都板橋区前野町
concept : leaf (葉っぱ)
巣鴨信用金庫は、「喜ばれることに喜びを」をモットーに「ホスピタリティバンク」を目指している信用金庫。常盤台支店の移転に伴い建築の設計と空間デザインを手掛けた。
「leaf」をコンセプトに訪れる人が自然を感じリフレッシュできるような場所を目指した。ファサードには樹木のシルエットが浮び、14色を使った大小の窓をリズミカルに配し特徴づけることでファサード自体が看板となる。
1階にはATM、窓口、14色の椅子が並ぶオープンスペースと3カ所の中庭。2階には融資課、応接室、オフィスと4カ所の中庭。3階はカフェテリア、更衣室等の所員用スペースとなる。木々や草花が植えられ陽の降り注ぐ7カ所の中庭を通して、それぞれの場所が緩やかに繋がっている。壁やガラスに施された白い枝に24色のleafと本物の木々が重なり合い、不思議な森の中にいるよう。
2014年6月7日-11月23日
ヴェネチア(イタリア)
concept : shikiri / see beyond colors
リアルト橋のそばに建つパラッツォベンボで開催される企画展「Time Space Existence」、世界各国から集まる建築家の一人として作品を展示。
ビエンナーレの総合テーマ「Fundamentals」は建築の基本的な要素を見つめ直し、改めて考える機会を与えてくれた。そこで建築家として大切にしてきたデザインコンセプト「色切/shikiri」と向き合い、その要素を抽出して表現することにした。
「色切/shikiri」は今まで手掛けたプロジェクトごとに、その時その場所に適応するよう形や仕様を変えてきた。常に進化し、面から始まったコンセプトは線や点にも発展してきた。
本展では、面と線の「色切/shikiri」を建築的視点から捉え、様々なスケールや高さに吊られた6つの模型により立体的に表現している。36色に彩られた面1,390枚と線12,100本の「色切/shikiri」は、構造でありながら空間を色で構成する要素として、繊細な色のグラデーションの世界を創りだしている。
2007
埼玉県川口市
埼玉の閑静な住宅街にある女性向けの美容室。ゆったりと寛ぎながらトータルで美しくなることが出来るサロンというコンセプトを元に、建築とインテリアを手掛けた。提案したのは、壁ではなく色でフレキシブルに空間を作ることができる天井吊り下げ型スライディング色切/shikiri。2階のVIPフロアには色切/shikiriで隔てられた程よいプライベート空間が広がる。インテリアカラーは白を基調に、ピンクやグリーンなどでコーディネートした。