2023年11月9日~26日
ブルガリ セルペンティ 75周年
「時を超えて紡がれる無限のストーリー展」
東京
ブルガリのブランドアイコンである「セルペンティ」が誕生してから75周年を迎える2023年、ブルガリはその記念すべき年を祝し、世界各国で現代アーティストとのクリエイティブコラボレーションのシリーズを立ち上げた。東京シリーズでは3人のクリエイターが選ばれ、その1人としてエマニュエルの作品が展示された。100 colorsインスタレーションシリーズの50作品目となる今回のインスタレーションでは、色が無限に続くような没入感のある空間を創り出した。
本作品は、永遠を象徴する「セルペンティ」の魅力からインスピレーションを受けて生み出した「無限の色」というコンセプトを体感できるインスタレーション。 細く果てしなく続く道を進むと、 色がどこまでも続いていくような感覚になる無限の世界へ人々を誘う、エモーションを刺激する空間となっている。
細い道に一歩足を踏み入れると、1から100までのローマ数字で表された「無限の色」が現れる。ローマ数字は、ブランドのルーツであるローマに敬意を込めて選ばれた特別なモチーフ。インスタレーションは、100層の大きな透明アクリルパネルに記された100色の347,100個のローマ数字で構成され、アクリルパネルは約16mの奥行きまで規則的に並んでいる。全てのアクリルパネルの中央には開口があり、来場者はインスタレーションの中を歩く。一番手前の層にはローマ数字の「1」が記され、道を進むにつれてローマ数字は増え続ける。ローマ数字はたった5つのシンプルな記号(I,V,X,L,C)を3次元のグリッド上に重なり合わせることで、数字が無限に増えていく効果を生み出す。そして100色のグラデーションも数字と共に変化していく。
無限の色の旅。歩くたびに作品の表情が変わり、無限に変容する複雑な魅力が生まれる。色が無限に続くように、ブルガリの未来も続いていくよう願いを込めている。
※100 colors no.50 「SERPENTI」は100 colorsインスタレーションシリーズの第50作目である。
2023年12月23日~2024年1月28日
The Art of Absolue
“Perpetual, Beyond Time”
上海(中国)
世界的な化粧品ブランドLANCÔME(ランコム)の「アプソリュ」シリーズを披露する展示会が上海で開かれ、その世界観を表現する新作インスタレーションを発表した。本作品は「美」と「永遠」を抽象的に表現した、没入型インスタレーションである。蝶の象徴的な意味からインスピレーションを得て、単純化した形状にデザインされた蝶が集い、羽ばたき、そして空高く舞い上がりながら空間を埋め尽くした。
このインスタレーションは、部屋の中央にカラフルな円形のボリュームと、その周りを囲むように配置された白い円形の層で構成されている。来場者が部屋に入ると、約4万匹の100色の蝶が出迎える。そして人々は白い蝶の膜に包まれながら、カラフルな円形のボリュームに沿って道を歩く。ゆるやかなカーブを描きながら、自然とインスタレーションの中心部へと導かれ、この作品の核となる約10メートルの高さまで続く100色の蝶の世界に入り込んだことに気が付く。100色のグラデーションは、地上から空へと流れるように続いている。
この空間に一歩足を踏み入れると、感動、喜び、瞑想的な瞬間に満ちた、不思議な体験が待っている。
※100 colors no.48 「100色の蝶」は100 colorsインスタレーションシリーズの第48作目である。
UNIQLO
PEACE FOR ALL
チャリティーTシャツ
2023年12月8日発売
商品ページはこちら
ユニクロが展開するチャリティTシャツプロジェクト「PEACE FOR ALL」の新作コレクションにエマニュエルがデザインしたTシャツが発売されました。ぜひ店頭・オンラインストアにてご覧ください。
エマニュエルからのメッセージ
「初めて地球を見てみたら」-このようなタイトルの絵本を想像しました。カラフルな球体は地球を、黄色い球体は太陽を、風船を持つ子供は主人公のあなたです。この地球上に存在する生き物が織りなす多様性が地球の美しさを作り、動かしています。それを色の持つ普遍性と無限性で表現しました。たくさんの色が、人々の心を動かすことを願っています。
PEACE FOR ALL プロジェクトについて
特設ウエブサイトはこちら
「世界の平和を願ってアクションする」そんなユニクロの想いに賛同した著名人がボランティアで参加し、平和への願いを込めてデザインしたTシャツを続々と発表。その利益の全額は、貧困、差別、暴力、紛争、戦争によって被害を受けた人々を支援する、国際的な団体へと寄付されます。PEACE FOR ALLは、「あなた」がTシャツを着ることで動き出すプロジェクト。すべての人が安全に暮らせる未来と、世界の平和を願って。ユニクロはこの取り組みを、世界中の人とともにひろげていきます。
photos : UNIQLO
2023
Lumière
パリ(フランス)
map
パリ最大の民間オフィスビルである「ルミエール」は、パリ12区のビジネス街「ベルシー」の中心に位置している。7階建ての建物は、壮大なアトリウムでつながった2つの棟に分かれている。そのアトリウム空間でフランスにおける100色シリーズの最初の常設作品である「TIMELINE」を発表。
「TIMELINE」は、多くの人々が行き交い、多様な人生の瞬間が交錯するアトリウムという空間を象徴するサイトスペシフィックな常設アート作品である。
アトリウムのガラス屋根からのぞく印象的な空から降り注ぐ太陽の光にインスピレーションを得たこの作品は、建物を貫ぬく太陽の光とその光が照らす時の流れを、抽象的に可視化したものである。100色で表現されたその光の筋は、空間の多様性と輝きを浮かび上がらせ、人々へ喜びと感動をもたらす。
作品のパーツは西暦をモチーフにした3200個の数字で構成され、2023年から空に向かって果てしなく続いていく。これは作品のタイトルである「TIMELINE」をダイレクトに表現したものであり、未来へ積み重ねていく時の流れを人々に感じさせる。作品の下部は白で表現した2023年と2024年からはじまり、その後の未来の時間の流れを100色で表現し、作品の総高さは18メートルにも達する。
すべての数字はラウンジエリアを向き、反対側にはガラスのファサードがある。数字は回転しないように固定されているため、遠くから見ても本物の光の筋のようだ。
「TIMELINE」は人々の日常に光を当て、他者との新たな関係や未来への希望を模索する私たちを導く一筋の光となり輝き続ける。
※100 colors no.47 「TIMELINE」は100 colorsインスタレーションシリーズの第47作目である。
photos : THEO BAULIG / RAPHAEL METIVET
2023年4月22日~5月28日
六本木ヒルズ
66プラザ
東京
100色で彩られた層が織りなす、記憶を辿るインスタレーション。小さな数字が幾重にも重なり合い、年号が浮かび上がります。その年号は、六本木ヒルズが開業した“2003”年から20 年を迎えた今年“2023”年。西暦が刻まれた100色の層は、奥に流れるにつれて年月が遡る「記憶」を視覚化します。一番手前の層は2023年現在の新たな記憶を「白」で表現し、100色のグラデーションが過去の時の流れを演出します。この色とりどりな記憶の空間に人々が集まり、思い出に思いを馳せる場所となりますように。
100 colorsシリーズについて
2013年から手掛けている「100 colors」インスタレーションは、色の魅力を最大限に表現したくさんの色が溢れだす感覚を体感してもらいたいという思いから始まったプロジェクト。
空間を浮かび溢れ出す100色で構成し、場所によって色の材質や形を変化させ、既存空間に色を重ね合わせている。 1995年に初めて東京を訪れた時、東京の街に溢れる「色」がエマニュエルの心に大きく影響を与えたように、彼女が創り出す色がたくさんの人々の心に届くことで、人々の色に対しての意識が少しでも変わるきっかけになってほしいと願っている。
100色を見て、触れて、心で感じ、色を通してエモーションを感じてもらいたい-この思いを胸に、今後も「100 colors」を世界各地で展開していく予定である。
“はじめて東京の街を見た時、街に溢れている色に衝撃を受け東京に住もうと決めた。
ボリュームの異なる建物、そのスキマに切り取られた空、看板、電線など、街は様々な「レイヤー」で構成され、その中で溢れ出しそうな無数の色が幾重にも重なり合い、複雑な奥行きを作っていた。 東京で感じた「色」と「レイヤー」は私のデザインコンセプト色切/shikiriの原点である。
東京を見て感じた気持ちを大事にして事務所設立10年を向かえた今、色の魅力を最大限に表現して、たくさんの色が溢れ出す感覚を共有したい。 その想いからここ東京で100色の空間を創る。”
エマニュエル・ムホー (2013年9月)
2023年4月14日~2024年7月10日
道後温泉商店街
道後温泉
“100 colors no.42”は道後温泉にてご覧になれます。
道後温泉の商店街を100色で彩り、これまでの風景を一変するような大規模なインスタレーションです。
道後アート について
日本最古といわれる道後温泉では、本館保存修理後期工事期間に合わせ「みんなの道後温泉 活性化プロジェクト」を2024年3月までの3年間で実施しています。 2021年度は、大竹伸朗さんや蜷川実花さんの作品を展示するほか「地熱づくり」をテーマに、地元で集客や関係人口を築いてきました。 最終年の2023年度は、4月14日(金)から「道後アート2023」を開催します。 フランス生まれの建築家でアーティスト、デザイナーのエマニュエル・ムホーさんが制作したシンボル作品を道後商店街に展示します。道後商店街を100色で彩り、これまでの風景を一変するような、インパクトとスケール感のある大規模なインスタレーション作品です。
100 colorsシリーズについて
2013年から手掛けている「100 colors」インスタレーションは、色の魅力を最大限に表現したくさんの色が溢れだす感覚を体感してもらいたいという思いから始まったプロジェクト。
空間を浮かび溢れ出す100色で構成し、場所によって色の材質や形を変化させ、既存空間に色を重ね合わせている。 1995年に初めて東京を訪れた時、東京の街に溢れる「色」がエマニュエルの心に大きく影響を与えたように、彼女が創り出す色がたくさんの人々の心に届くことで、人々の色に対しての意識が少しでも変わるきっかけになってほしいと願っている。
100色を見て、触れて、心で感じ、色を通してエモーションを感じてもらいたい-この思いを胸に、今後も「100 colors」を世界各地で展開していく予定である。
“はじめて東京の街を見た時、街に溢れている色に衝撃を受け東京に住もうと決めた。
ボリュームの異なる建物、そのスキマに切り取られた空、看板、電線など、街は様々な「レイヤー」で構成され、その中で溢れ出しそうな無数の色が幾重にも重なり合い、複雑な奥行きを作っていた。 東京で感じた「色」と「レイヤー」は私のデザインコンセプト色切/shikiriの原点である。
東京を見て感じた気持ちを大事にして事務所設立10年を向かえた今、色の魅力を最大限に表現して、たくさんの色が溢れ出す感覚を共有したい。 その想いからここ東京で100色の空間を創る。”
エマニュエル・ムホー (2013年9月)
2022年11月18日~2023年1月9日
ハービスPLAZA 1階
オルガン広場
大阪
ハービスPLAZA1階・オルガン広場に流れる100色の滝。
まるで時が止まっているかのように神秘的で、
まるで色が流れ落ちているかのように美しくて力強い。
100色の滝を浴び、100色の滝に打たれ、
からだとこころが浄化される、そんなインスタレーションです。
100 colorsシリーズについて
2013年から手掛けている「100 colors」インスタレーションは、色の魅力を最大限に表現したくさんの色が溢れだす感覚を体感してもらいたいという思いから始まったプロジェクト。
空間を浮かび溢れ出す100色で構成し、場所によって色の材質や形を変化させ、既存空間に色を重ね合わせている。 1995年に初めて東京を訪れた時、東京の街に溢れる「色」がエマニュエルの心に大きく影響を与えたように、彼女が創り出す色がたくさんの人々の心に届くことで、人々の色に対しての意識が少しでも変わるきっかけになってほしいと願っている。
100色を見て、触れて、心で感じ、色を通してエモーションを感じてもらいたい-この思いを胸に、今後も「100 colors」を世界各地で展開していく予定である。
“はじめて東京の街を見た時、街に溢れている色に衝撃を受け東京に住もうと決めた。
ボリュームの異なる建物、そのスキマに切り取られた空、看板、電線など、街は様々な「レイヤー」で構成され、その中で溢れ出しそうな無数の色が幾重にも重なり合い、複雑な奥行きを作っていた。 東京で感じた「色」と「レイヤー」は私のデザインコンセプト色切/shikiriの原点である。
東京を見て感じた気持ちを大事にして事務所設立10年を向かえた今、色の魅力を最大限に表現して、たくさんの色が溢れ出す感覚を共有したい。 その想いからここ東京で100色の空間を創る。”
エマニュエル・ムホー (2013年9月)
2022年7月22日~9月11日
ART TOUCH EXHIBITION
KITTE名古屋
名古屋
名古屋駅直通のKITTE名古屋の空間の特徴は、「過ごす」ではなく「通る」場所であること、そして天井高が11mであること。この空間の高さと人の動きを活かして選ばれた今回の「色のかたち」は「線」。
100色に染め上げた約5mの色の帯を、グリッド上に規則正しく人々の頭上に浮かせた。色と色の間からは他の色が見えるように間隔が設定され、見る角度によって表情を大きく変える仕組みになっている。また、吹き抜けと反対側(進行方向と直行した目線)から作品を見ると、色がより細い線に見え、来訪者は歩きながら作品を臨むと、色が揺れているかのようなモアレを楽しんだ。
100 colorsシリーズについて
2013年から手掛けている「100 colors」インスタレーションは、色の魅力を最大限に表現したくさんの色が溢れだす感覚を体感してもらいたいという思いから始まったプロジェクト。
空間を浮かび溢れ出す100色で構成し、場所によって色の材質や形を変化させ、既存空間に色を重ね合わせている。
1995年に初めて東京を訪れた時、東京の街に溢れる「色」がエマニュエルの心に大きく影響を与えたように、彼女が創り出す色がたくさんの人々の心に届くことで、人々の色に対しての意識が少しでも変わるきっかけになってほしいと願っている。
100色を見て、触れて、心で感じ、色を通してエモーションを感じてもらいたい-この思いを胸に、今後も「100 colors」を世界各地で展開していく予定である。
“はじめて東京の街を見た時、街に溢れている色に衝撃を受け東京に住もうと決めた。
ボリュームの異なる建物、そのスキマに切り取られた空、看板、電線など、街は様々な「レイヤー」で構成され、その中で溢れ出しそうな無数の色が幾重にも重なり合い、複雑な奥行きを作っていた。
東京で感じた「色」と「レイヤー」は私のデザインコンセプト色切/shikiriの原点である。
東京を見て感じた気持ちを大事にして事務所設立10年を向かえた今、色の魅力を最大限に表現して、たくさんの色が溢れ出す感覚を共有したい。
その想いからここ東京で100色の空間を創る。”
エマニュエル・ムホー
(2013年9月)
2022年6月~2023年6月
Oslo Public Library
オスロ国立図書館
オスロ(ノルウェー)
2020年6月に新しくオープンしたOslo Public Library (オスロ国立図書館)において、北欧での自身初の100 colors シリーズ作品を発表した。
本作品は図書館の3階から5階を貫くメインの吹き抜け空間で来場者を迎える。a-zまでの26文字とノルウェーの特殊文字3文字を用い、約10000個の文字を三次元グリッドに規則正しく配列させ、高さ8mを超える大きな本を思わすボリュームとして空間に浮かせた。
1つ1つのモジュールは、100色から文字をくり抜いた色の形になっており、まるで本から色の文字があふれ出るような空間を表現した。1行1行本を読むように100色のレイヤーが織りなす文字の色の移り変わりを楽しむことができる。また、吹き抜け空間を生かし、3階、4階、5階から、作品を全ての角度から見て、感じることができるだろう。
ノルウェーの美しい光に照らされた作品は、切り抜かれた文字をより際立たせ、光と影と色によって人々にエモーションを与える。文字の中には二人の女の子と猫一匹が迷い込み、来場者に探してもらう遊び心も盛り込んだ。
photo : Øystein Thorvaldsen
100 colorsシリーズについて
2013年から手掛けている「100 colors」インスタレーションは、色の魅力を最大限に表現したくさんの色が溢れだす感覚を体感してもらいたいという思いから始まったプロジェクト。
空間を浮かび溢れ出す100色で構成し、場所によって色の材質や形を変化させ、既存空間に色を重ね合わせている。
1995年に初めて東京を訪れた時、東京の街に溢れる「色」がエマニュエルの心に大きく影響を与えたように、彼女が創り出す色がたくさんの人々の心に届くことで、人々の色に対しての意識が少しでも変わるきっかけになってほしいと願っている。 100色を見て、触れて、心で感じ、色を通してエモーションを感じてもらいたい-この思いを胸に、今後も「100 colors」を世界各地で展開していく予定である。
“はじめて東京の街を見た時、街に溢れている色に衝撃を受け東京に住もうと決めた。
ボリュームの異なる建物、そのスキマに切り取られた空、看板、電線など、街は様々な「レイヤー」で構成され、その中で溢れ出しそうな無数の色が幾重にも重なり合い、複雑な奥行きを作っていた。
東京で感じた「色」と「レイヤー」は私のデザインコンセプト色切/shikiriの原点である。
東京を見て感じた気持ちを大事にして事務所設立10年を向かえた今、色の魅力を最大限に表現して、たくさんの色が溢れ出す感覚を共有したい。
その想いからここ東京で100色の空間を創る。”
エマニュエル・ムホー
(2013年9月)
mt FACTORY TOUR
2021年7月22日~8月4日
カモ井加工紙・工場
岡山県倉敷市
マスキングテープブームの火付け役であるmtを生み出したカモ井加工紙株式会社が、年に一度だけ開催するmt FACTORY TOUR。その記念すべき第10回ツアーにおいて、マスキングテープを使用した新作インスタレーション100 colors no.35を発表した。
本展のために、最も親しみのある15ミリ幅のマスキングテープを、独自の100色で特別に作っていただきました。このインスタレーションは6000本ものマスキングテープを縦、斜めに規則正しく何層にも重ねて空間を構成している。インスタレーションを切り抜いたトンネルの中を歩いていくと、来場者は幾重にも重なりあう線と100色のグラデーションによって生まれた空間を体感することができる。眺める角度によって目に映る色と線の重なりが変わり、様々な表情を生む美しい虹のモアレを作り出す。総長さ約28kmのマスキングテープで構成されたこの巨大モアレの中を歩いて、人々はしばし時間を忘れうつろう色を全身で楽しんだ。
2020
GREEN SPRINGS
東京都立川市
Google Map
2020年に開業したウェルビーイングタウン「GREEN SPRINGS」に、エマニュエル初のパブリックアート作品を発表した。
「mirai」と名付けられたこの作品は、2020年から2119年までの「未来」の100年を視覚化した彫刻作品。100年分の西暦はそれぞれ異なる色となっており、100色で彩られた「未来」を支えるのは「過去」。白い数字で表現されており、構造としての役割も担っている。
「mirai」に凝縮された100年に
みんなの夢が集まって欲しい
人と共に街が変わっていく
2020年が過去になる
みんなの夢が刻んだ年と重なり
虹んで虹んでいく
凝縮された100年に凝縮された想い
笑顔になって想像して欲しい
夢虹む「未来」
エマニュエル・ムホー
2020年2月5日~4月19日
(9月27日まで延長)
NOW Gallery
ロンドン(イギリス)
Installation:
”Slices of Time”
ロンドンのグリニッジ天文台にほど近い NOW Galleryにて、新作インスタレーション「Slices of Time」を発表した。本作品は、グリニッジの本初子午線が世界の時間の基準であることやギャラリーの名前「NOW=現在」からインスピレーションを受け、「過去」、「現在」、「未来」を、120層の「時間の断片=Slices of Time」として表現している。
これらの層を描いているのは、規則正しく3次元のグリッド上に整列させた168,000ピースの小さな数字。1層に1西暦を描き、120層を通して、未来の100年(2020~2119)と過去の20年(2000~2019)を可視化している。未来の100年分の西暦はそれぞれ異なる色となっており、100年100色100層であるのに対して、過去は白で表現している。
作品を真正面に臨むと、まるでギャラリー内に浮かぶ地球のように見え、奥へ進むと、過去と未来の間には文字通りスライスされた「現在=NOW」の空間が存在している。
また、来訪者がそれぞれの大切な日付を考えるきっかけとなるインタラクティブ要素も用意された。白い丸い紙にカラフルなペンで思い思いの大切な日付とその理由を書き、ギャラリーのウィンドウの時間軸に貼ることで、作品に参加することができる。
Jemima Burrill (NOW Galleryキュレーター)より:
”ムホー氏の作品の繊細なディテールや熟考された秩序は、今日私たちが直面している政治的混乱からの完璧な束の間の休息のようでした。この展覧会は、すべての人々に、色と形のシンプルさと複雑さを楽しむ時を与えることとなるでしょう。両方の要素が相まって驚きと調和をもたらし、カラフルな順序の中で大切な日付を考える時をつくります。瞑想的な瞬間です。”
カルピス®100th
七夕に会おう展
2019年7月4日~7日
アーツ千代田 3331
東京
Installation:
ことばの宇宙
カルピス®の誕生日である7月7日七夕に合わせて開催された、誕生100周年を記念する「カルピス®100th 七夕に会おう展」。本展において、新作インスタレーション「ことばの宇宙」と「100 message bottles」を発表した。
七夕では、人々が願いや夢をカラフルな短冊に書き、願いが叶うように想いを込めて笹に吊るす。エマニュエルはその七夕の伝統を、短冊に書かれて風に浮かぶ「ことば」を抽出することで大切な人を想う体験としてリデザインした。彼女は日本人が一番最初に習う最もシンプルな「ひらがな」全46文字を用いて、願いや夢を表現した。揺れるひらがなは、人々の想いを乗せて笹の葉から揺れるカラフルな短冊を表現している。
「ことばの宇宙」は、約14万ピースにも及ぶひらがなを3次元グリッドに規則正しく配列させ、ギャラリー空間全体を埋めつくした。インスタレーションが切り抜かれたトンネルを歩いていくと、来館者は無限に広がる文字の宇宙の中へ引き込まれ、ことばが少しずつ心に浮かび上がる。本作は自身の100色シリーズの最新作であり、ひらがなの層は100色で彩られ、カラフルな「ことばの宇宙」が完成した。宇宙の中には「カルピス」のボトルのシルエットと「カルピス」のロゴが迷い込み、「迷子」を来場者に探してもらう遊び心も盛り込んだ。宇宙の中の1つのトンネルは訪れた人々を次のインスタレーション空間「100 message bottles」へと導いている。
「100 message bottles」は、来場者が大切な人と共に、自分たちの関係性を表す「message bottle」を見つけるようにデザインされている。100色で彩られた特別な100本の「カルピス」のボトルは、「しんゆう」「あこがれ」「ぬくもり」のような100種類のことばと共に吊るされ、これらの「message bottle」は人と人との特別な関係性を色とことばで表現している。来場者は自分たちのことばを見つけ、「message bottle」 の前で写真を撮ることで、思い出に残る体験をすることができる。
国立新美術館 開館10周年
2017年1月20日~30日
国立新美術館
国立新美術館は今年1月に開館10周年を迎え、これを記念した「開館10周年記念ウィーク」を実施。これまでの10年の活動を紹介する会場を、これからの未来10年で構成した巨大インスタレーション「数字の森」で彩った。開館以来初めて仕切り壁を一切使わず、いわば大きな無色の箱の2000平米あるホワイト・キューブの展示室に100色の層を重ね、自身最大規模のインスタレーション作品となる色彩と空間を融合させた壮大な作品を創り出した。
2017年から2026年までの未来の10年間を視覚化した「数字の森」。6万ピース以上にも及ぶ西暦を表した数字「0」から「9」を規則正しく3次元のグリッド上に整列させた。インスタレーションを切り抜いたトンネルの中に入ると、来館者は無限に広がる数字の森の中へ引き込まれる。このインスタレーションは、空間を10層に分けて構成しており、それぞれの層は1つの西暦を象徴する。正面から2017年の2,0,1,7の4つの数字がランダムに並び、2,0,1,8、2,0,1,9・・・と年を重ねる。時のレイヤーを100色で彩り、数字の森の中でカラフルな時の散歩を楽しむ、100色シリーズの新作となった。
森の中には女の子2人と猫1匹が迷い込み、「迷子」を来館者に探してもらう遊び心も盛り込んだ。インスタレーションの両端の壁には、「数字の森」に呼応するように過去10年間の展示ポスター、そして反対側の壁には未来10年を白い数字でシンプルに表現した。今回のインスタレーションは、国立新美術館としては異例の撮影許可とし、様々なメディアやSNSで紹介されたことによりたくさんの人々へと広まった。300人ものボランティアの協力を得て創り上げられたこのインスタレーションは、2万人以上の来館者の心を躍らせた。
2017年4月開園
福岡県福岡市中央区草香江
concept : 色の木立
クレシュ六本松は福岡市内の住宅街に位置し、定員90名の園児を受け入れる認可保育園である。子ども達が心身ともに豊かに育つ保育を目指した新たな園の開設に伴い、建築設計と空間デザイン、ロゴのデザインを手掛けた。カラフルな木立に囲まれ、色の中を駆け巡りながら、どこにいてもたくさんの色が感じられることで、子どもたち一人一人の豊かな感性を育むことのできる空間を目指した。
建物のファサードと屋内空間には、たくさんの色が使われ、どこにいても自然と色が目に飛び込んでくる。ファサードには、22色が使われ、高さ4mにもおよぶ63本のマルチカラーの木が、枝をリズミカルに伸ばし、建物を包み込む。全面ガラス張りで開放感を持たせながらも、カラフルな木立で包み込むことで、外部と程良い距離感を持たせ、視覚的にも子どもたちを優しく守っている。屋内の保育室には、25色の園児用ボックス200個が壁面に並ぶ。子どもたちはお着替えや自分の道具を使うたびにボックスを手に取り、色に触れる。4フロアをつなぐ階段は、18色を使用し、上れば上るほどに色が変わり、子どもたちは様々な色に囲まれる。
ツリーをモチーフとした園のロゴもデザインした。ロゴは、館名サインだけでなく、子どもたちのユニフォームや園バスにも使用し、園全体のイメージに統一感を持たせている。
たくさんの色は、子どもたちの感性を無限に広げ、一人一人の個性を引き出してくれる。色に囲まれ、色に触れ、色と共に生活することで、個性豊かな感性を育んでほしい。そんな思いを込めて、大きなマルチカラーの木立は今日も子どもたちの成長を見守っている。
WATCH ART GRAND EXHIBITION
2019年9月28日~10月13日
Sands Theatre
Marina Bay Sands
シンガポール
Installation:
”100 colors flowers”
スイス時計最高峰ブランドのひとつパテック・フィリップの時計製作の粋を、世界中の愛好家に向けて披露する「ウォッチアート・グランド・エグジビション2019」での会場インスタレーションを手掛けた。5回目を迎える今回は、ラッフルズ卿によるシンガポール上陸200周年に合わせ、シンガポールのシンボルとも言えるマリーナベイ・サンズで開催され、会期中68,000人と過去最大の来場者を集めた。
パテック・フィリップの世界観を堪能できる会場のホワイエには、シンガポール200周年を記念した特別な空間として、本インスタレーションが来場者を出迎える。作品は、シンガポールという国の精神 "Majulah Singapura"(『進めシンガポール』=シンガポール国歌)や、街や人の活気、生命に満ちた植物からインスピレーションを受け、フランジパニ(プルメリア)の花をモチーフとし、その美しさや、色、香りをイメージしながらシンガポール成長のダイナミズムを表現した。
11,500個の花で構成され、100色で彩られたインスタレーションは、美しい時計を高度な技で作り上げる時計職人の精神を反映し、花びらは一つずつ丁寧に手作業で高精度に制作された。カラフルで没入感のある本インスタレーションは、まるで空間が独自の時間を持っているかのようにゆっくりと時を刻んでいる。
2019年12月1日~2020年1月3日
REALITY LAB. ISSEY MIYAKE
東京都港区南青山
BAO BAO ISSEY MIYAKE新作プラチナムシリーズのためのホリデーウインドウインスタレーション
IMABARI COLOR SHOW
2019年3月19日~22日
今治市公会堂
今治(愛媛県)
上質なタオルの産地として名高い愛媛県今治市には、優れた染色技術を有する染色工場が多く集っている。その染色技術を紹介する展覧会「IMABARI Color Show 2019」のために、インスタレーションを発表した。2017~18年(スパイラル ガーデン、今治市みなと交流センター)に続く第二弾となる。
同じ水、同じ調合、同じ時間で染めてもその日の天候や気温にも左右され、同じ色に仕上がるとは限らないほど染色は繊細だが、職人たちは持てる技術を最大限に発揮し、美しい1000色(せんしょく=染色)の布を染め上げた。
完成した布は、今治市出身の丹下健三による設計の今治市公会堂の客席をギャラリーに見立て、1席ずつ異なる色で包み込んだ。鮮やかな色彩がエネルギーを放ち、公会堂の天井と呼応するように圧倒的な色の波を生みだした。
2014
埼玉県川口市上青木
concept : レインボーメロディー
巣鴨信用金庫は「喜ばれることを喜びに」をモットーに「ホスピタリティバンク」目指している。一貫して求められているのは「1秒でも長く居たくなる信用金庫」。
敷地は県道と市道の交差点の角地にあり、車や人、自転車が常に往来する。様々な視点から望むことのできる立地を特徴として捉え、変化する視点によって表情が豊かに変わるリズミカルなファサードをつくりあげた。ファサードのCUBEは4種類の奥行と24色を使用し、見る位置によって様々に変化するよう配置している。12個のCUBEには小さな空中庭園を設け、季節の花々とオリーブやシマトネリコ等の木々で彩っている。CUBEがつくる凹凸から見え隠れする色と草木が、音符のように楽しそうに浮かび、虹色のメロディとなって、建物を目にする人々に癒しと元気を届けることを目指した。
屋内は1階のオープンスペース、2階の融資課と職員用食堂から、庭の表情を別の視点で望むことができる。南に面するファサードから入る日差しは木々によって和らぎ、心地良い木漏れ日となる。内部は動きのある外観とは対照的に落ち着いた雰囲気に仕上げている。
2018年4月4日~10日
阪急うめだ本店
1Fコトコトステージ
大阪
BAO BAO ISSEY MIYAKEのポップアップ・イベントが阪急うめだ本店の1階で行われ、その空間を色鮮やかに春らしくしつらえ、訪れた人を魅了した。
木々の花々が色鮮やかに、浮かぶように咲き誇る ―コンセプトは「blooming sky」。
細長い空間の手前には、7本の木々が1列に並び、その上には小さな紙の三角形をシンプルに折って表現した花々が枝いっぱいに整列して浮かぶ。花々は、白から順にイエロー、ピンク、ブラウン、グリーン、ブルー、パープルと徐々に変わり、空間に浮かぶ100色のグラデーションをつくりだしている。グラデーションの下にはトートバッグを花々の色と呼応するように並べ、透明アクリルの台には舞い落ちた花びらを閉じ込めた。
このポップアップイベントでは、定番の白いプリズムシリーズトートバッグのハンドルを13色の中から選ぶことができ、好きな色を自分で選ぶ楽しい雰囲気も表現している。たくさんの色に包まれて、ひと足早く春を感じられる特別な一週間となった。
April 2018
世界5か国8都市11店舗
BAO BAO ISSEY MIYAKEの新作トートバッグ「MISTY MOON」のウィンドウデザイン手掛け、「虹のモアレ」と名付けたインスタレーションを展開。バッグが放つ独特の透け感と浮遊感と呼応するように、色の繊細さを最大限に魅せるデザインを掛け合わせた。
細かな三角の形状が繊細に切り出された紙のレイヤーを奥行方向に何層にも重ねていく。精巧なメッシュのようなレイヤーの集まりに色のグラデーションがかかることにより、層の奥行感を感じることができる。眺める角度によって目に映る色と線の重なりが変わり、様々な表情を生む美しい虹色のモアレをつくりだす。
青山のREALITY LAB. ISSEY MIYAKEや銀座のISSEY MIYAKE GINZA / OMOTE をはじめ、国内外11店舗で展開。ウィンドウ以外ではグラフィカルなデザインと、アクリル製の自立型のデザインも展開した。
色が回る。
色が混ざる。
心が動く。
NSK100周年記念展覧会
SENSE OF MOTION
2016年11月9日~20日
SPIRAL garden/ 東京
今年で創立100周年を迎えた日本精工株式会社(NSK)は、「あたらしい動きをつくる。(SETTING THE FUTURE IN MOTION)」をビジョンとして掲げ、「SENSE OF MOTION」展を表参道スパイラルで開催した。NSKの技術をシンプルに美しく伝えるべく、ベアリングを用いた色の動きをテーマにした壮大なインスタレーションを発表した。
スパイラルガーデンを象徴するアトリウムの螺旋スロープの形状に沿って、高さ約6mの空間を100色で彩られた花モチーフで埋め尽くした。インスタレーションの中央は何もない円形の空間が存在し、来場者は色に囲まれて、その世界観に包まれる。
凝縮された100色は、規則正しく整列した25200個の花モチーフによって構成されている。縦に伸びる軸に取り付けられた花モチーフは、一番上に設置されたNSKのベアリングと風車がサーキュレーターの風によってくるくると回りだす。花モチーフの花びらは数色で構成されており、回り出すことによって色が混色され、新たな色が生まれていく。そして外側のスロープ歩くと、色が重なる角度が少しずつ変化し、様々な視線で堪能できるインスタレーションになった。
同じ花モチーフは会場に花畑の様に広がり、会場全体に一体感を紡ぎ出す。花畑の軸にもベアリングを使い、来場者が手を伸ばして軸を回すとベアリングの軽やかな回転を色の混色を通して感じることができる。
一つひとつは小さくてシンプルな動き。そのシンプルな動きに色を重ねて一つの空間に凝縮させたとき、それは大きなエネルギー放すような、心が躍りだすインスタレーションになる。
2011
東京都板橋区小豆沢
concept : 虹のミル・フィーユ
巣鴨信用金庫は、「喜ばれることに喜びを」をモットーに「ホスピタリティバンク」を目指している。新座支店、常盤台支店に続き、本支店の建て替えに伴い設計と空間デザインを手掛けた。
虹が現れたようにせり出した12色の層が人々を迎える。夜間、層はLEDでライトアップされ、季節によって光を変えれば様々な風景が楽しめる。
屋内では3つの楕円の吹き抜けに空がぽっかりと切り取られ、優しい光を導く仕掛け。従来の銀行にはない、ほっと深呼吸をしたくなるような時間を過ごしてもらえる。天井にはたんぽぽの綿毛をモチーフにしたデザインが一面に広がる。たんぽぽの綿毛に願いを込めてそっとひと吹き。
※ヨーロッパでは願い事を唱えながら綿毛を吹く習慣があります。
2018年9月26日~29日
ジュ・ド・ポーム国立美術館
パリ
ユニクロは9月に行われたパリファッションウィークの期間中に特別展覧会「The Art and Science of LifeWear : Creating a New Standard in Knitwear」をジュ・ド・ポーム国立美術館で開催した。
展覧会はユニクロのニットウエアを「Art」「Science」「Craftsmanship」「Fashion」「Collaboration」という5つのテーマでゾーン分けし紹介。今回はその中の「Art」ゾーンにて、『100色ニット』と名付けたインスタレーションを手掛け、ユニクロのニットが持つ色鮮やかなカラーパレットを一目で体感できる、無限の色の世界を創りだした。
展覧会の最初の部屋に位置する「Art」ゾーンに足を踏み入れると、色溢れる世界が来場者を出迎えた。『100色ニット』インスタレーションは、「色を混ぜることで無限に色がつくれる」をコンセプトにデザインした。
ニットは、一目見ただけでは 1 色に見えるが、近づいて観察すると数色の繊維が混ざり合うことでその「色」を生み出していることがわかる。2、3色のわたを混ぜながら、ウール毛糸をつくる、その普段目にしない工程にフォーカスをした。インスタレーションは、100色のわたを使い、3色ずつで構成されているモジュール約1万個でつくられた。
100色の世界が一瞬で目に入る様に、インスタレーションをななめに配置し、中央にトンネルを設けた。イエロー、ピンク、ブラウン、グリーン、ブルー、パープル、と大きな波の中に、色が少しずつ混ざりながら変わりゆく繊細で美しい色のグラデーションが部屋いっぱいに広がった。
五日間にわたり開催された展覧会には、約6,000人が会場を訪れた。無限の色に包まれて、全身で感じられる色の世界をたくさんの人に体感してもらえたことだろう。
写真 : ユニクロ
IMABARI COLOR SHOW
2017年12月7日~10日
SPIRAL garden/ 東京
2018年2月2日~12日
はーばり/今治(愛媛県)
タオルの産地として海外でも高い知名度をもつ愛媛県今治市。良質な水に恵まれたこの土地に集積する優れた染色技術を紹介する「IMABARI Color Show」にて、「染色」にかけて「1000色のレシピ」という自身最多の色数を用いたインスタレーションを発表。今治の染色技術を余すことなく伝えつつ、誰も見たことのない色の新しい世界を創り出した。
美しい色を作り出すためには繊細な「レシピ」が必要とされる。レシピを構成する要素は、色の三原則「C(青)/M(赤)/Y(黄)」、温度や湿度「℃」、時間「分/秒」、それら各々の割合「0」~「9」と「%」。このすべてを緻密に管理することで1色1色微妙に異なる色を正確に表現した。
今回、レシピを構成するこれら17記号を、エマニュエルが生み出した1000色のパレットをもとに愛媛県繊維染色工業組合の職人たちが染色技術の粋を集め染色。微妙な色調に美しく染め上げられた1000色の布を17の記号に型抜きし、糸1本につき1色を垂直構成、それらをスパイラルガーデンの中央に凝縮して円を成し、外周を白色で包み込むことで1000色の存在を際立たせた。湧き上がる記号の数は17000個にも及び、規則性とさ不規則性が相まった配置は、見る場所によってランダムな表情を見せてくれる。さらに円の下に座り見上げると、色のレシピが浴びるように降り注いでくる体験ができる、繊細でありながらも雄大なインスタレーションとなった。
OMOTESANDO HILLS CHRISTMAS 2017 with Panasonic Beauty
2017年11月8日~12月25日
表参道ヒルズ
東京
開業11年目を迎え、新たなステージへと突入した表参道ヒルズ。今後は「カルチャー」を生み出し発信することに重きを置く表参道ヒルズにふさわしいクリスマスイルミネーションとして、自身初となるイルミネーションを、「アート」と融合させて発表。今までのイルミネーションとは一線を画した、色そのものが光りを放つ、100色の幻想的な空間を創り出した。
表参道ヒルズの大階段の吹き抜けいっぱいに散りばめた100色のミニツリー。提灯のように光を色紙で包み込み、100色そのものが光を放つ構造とした。
合計約1500個のミニツリーを、13.4mもの長さごとに連結し、ユニット化して吊るした。ミニツリーに囲まれ中央に位置する高さ7mにもおよぶメインツリーも、ミニツリーの集合体で形成しており、通常時は白く光り輝く。ミニツリーが吹き抜け空間を埋め尽くす風景は、街に緑が連なる「表参道」の風景を連想させる。
表参道ヒルズの建物の特徴である各階をつなぐスロープを生かした色の配置は、立ち位置によってグラデーションが次から次へと移り変わるため、自然と歩みを進めたくなる。さらに、メインツリーに浮かび上がらせたサンタクロースとトナカイたちをミニツリーの森の中に迷い込ませることで、館内をくまなく探し歩きたくなるよう仕掛けた。
毎時00分と30分に行われる特別演出「EMOTIONAL REFLECTION」では、光、色、特別演出のために作曲された音楽、そして、それらの連動のすべてを自身で監修。音のリズムに合わせ、メインツリーはイエロー、ピンク、グリーン、ブルー、そしてレインボーへと色を変え、ミニツリーはメインツリーと共鳴し合うように光り瞬く。
表参道の寒空に浮かぶ、100色のクリスマスツリーの森。色鮮やかにきらめく光りが、表参道ヒルズのクリスマスの夜を優しく灯した。
2010
東京都板橋区前野町
concept : leaf (葉っぱ)
巣鴨信用金庫は、「喜ばれることに喜びを」をモットーに「ホスピタリティバンク」を目指している信用金庫。常盤台支店の移転に伴い建築の設計と空間デザインを手掛けた。
「leaf」をコンセプトに訪れる人が自然を感じリフレッシュできるような場所を目指した。ファサードには樹木のシルエットが浮び、14色を使った大小の窓をリズミカルに配し特徴づけることでファサード自体が看板となる。
1階にはATM、窓口、14色の椅子が並ぶオープンスペースと3カ所の中庭。2階には融資課、応接室、オフィスと4カ所の中庭。3階はカフェテリア、更衣室等の所員用スペースとなる。木々や草花が植えられ陽の降り注ぐ7カ所の中庭を通して、それぞれの場所が緩やかに繋がっている。壁やガラスに施された白い枝に24色のleafと本物の木々が重なり合い、不思議な森の中にいるよう。
2017年11月16日~2018年1月8日
富山県美術館
"アートとデザインをつなぐ" 世界で初めての美術館として、2017年8月にオープンした富山県美術館。
開館記念展 Part 2 「素材と対話するアートとデザイン展」は、木や金属から新素材まで、素材とその変容を、様々な素材が放つ魅力、素材に触発されて生まれる、アートとデザインの世界を紹介する展覧会として開催された。
本展において、紙を素材として扱う新作 「COLOR OF TIME」 を発表した。
「色」という感覚的な要素に、「時間」という数学的な要素をかけ合わせ、視覚的に空間をつくり出す、時の流れを感じるインスタレーションである。
展覧会初日、2017年11月16日の富山県の空。06:30の日の出から、18:11の天文トワイライトを通って、色が見えなくなる真っ黒な19:49まで、計799分間において色が移り変わる。この時の流れを100色のグラデーションの変化で視覚的に表現した。
「COLOR OF TIME」 は、数字「0」から「9」と記号「:」を計12万ピースを3次元のグリッドに規則正しく配列し、空間を構成している。それらの数字と記号は、一見密度の濃い混在した集合体のようだが、実は1分刻みの「時間」を細密に表現している。
このインスタレーションは100層に分けて構成しており、それぞれの層には、左から右へ、そして奥へ流れるように時刻が刻まれている。一番手前の層は、淡い色と共に日の出06:30から始まり、時間の経過と共に層はゆっくりと濃くなり、最後は自身が今回初めて使用する色である「黒」で、色が見えなくなる19:49を表し、インスタレーションを締めくくる。
インスタレーションの中央がまっすぐに切り抜かれたトンネルの先には、自身の尊敬する倉又史郎氏の「ミス・ブランチ」が置かれている。これは、本展のキュレーターである富山県美術館の副館長により、エマニュエルから倉俣氏への尊敬の意を表現する軸線がつくられた。トンネルの中で、じんわりと滲みゆくグラデーションを全身で感じ、空の移り変わりを眺めながら、時の流れの中を散歩することができる。
2018年4月開園
東京都墨田区業平
コンセプト:ひらがなのツリー
ひらがなのツリーほいくえんは東京スカイツリーのふもとに位置する、定員60名の園児を受け入れる認可保育園。
「ひらがなのツリーほいくえん」と自身が命名した本園の、ファサードデザインと空間デザインを手掛けた。子どもたちがたくさんの色のひらがなと触れ合うことで、大木のように健やかに育つ園を目指した。
園には46色46文字のひらがなを子どもたちの目の届く場所にたくさん散りばめた。歩道に面したファサードには、一面いっぱいにひらがなをランダムに浮かせ、大きなツリーを立面的に描いた。一日の時間の流れとともに、ひらがなの影がゆるやかに伸び縮みし、様々な表情を見せる。1階の保育室内には、ひらがなが空間全体に広がる三次元的なツリーをつくった。2階の保育室内では、ひらがなをモビール構造にして吊るし、ひらがなが揺れ動く。1階のツリーのひらがなが風に乗って2階に舞うイメージだ。階段は、あいうえお順にひらがなを壁面に並べ、ひらがなをたどりながら上り下りを楽しむ。
エマニュエルが初めて見た東京の街並みは、文字が溢れ、絵のように美しかった。まだ字の読めない子どもたちにとっても、色とりどりのひらがなが浮かぶ空間は、まるで絵画の中の世界であろう。この年頃でしか体感することのできない、カラフルなひらがなの世界で、心豊かに、すくすくと育ってほしいと願う。
TRANS ARTS TOKYO 2016
2016年10月15日~30日
淡路公園
東京都千代田区神田淡路町
2016年秋、TRANS ARTS TOKYO 2016にて、神田淡路町にある淡路公園で新たな「100 colors」インスタレーションを発表。ゆるやかに伸びる階段をカラフルな通り道へと変化させた。
淡路公園へと向かう途中、木々の隙間に揺れるカラフルな優しい曲線目に入る。風になびくイエローの帯の下をくぐると、その先には100色のグラデーションが突如現れる。一段一段上るごとに少しずつ色が変わり、普段の道が彩りと驚きで溢れた。
100 colors シリーズについて
2013年から手掛けている「100 colors」は、100色で空間を構成するインスタレーションシリーズ。環境に合わせて色のかたちを変化させ、色の魅力を最大限に引き出している。一目で視界に入る100色を全身で受け、色そのものを感じてもらう作品である。1995年に初めて東京を訪れた時、東京の街に溢れる「色」がエマニュエルの心に大きく影響を与えたように、彼女が創り出す色がたくさんの人々の心に届くことで、人々の色に対しての意識が少しでも変わるきっかけになってほしいと願っている。100色を見て、触れて、心で感じ、色を通してエモーションを感じてもらいたい-この思いを胸に、今後も「100 colors」を世界各地で展開していく予定である。
“はじめて東京の街を見た時、街に溢れている色に衝撃を受け東京に住もうと決めた。
ボリュームの異なる建物、そのスキマに切り取られた空、看板、電線など、
街は様々な「レイヤー」で構成され、その中で溢れ出しそうな無数の色が幾重にも重なり合い、複雑な奥行きを作っていた。
東京で感じた「色」と「レイヤー」は私のデザインコンセプト「色切/shikiri」の原点である。
東京を見て感じた気持ちを今も大事にし、色の魅力を最大限に表現して、たくさんの色が溢れ出す感覚を共有したい。
その想いからここ東京で100色の空間を創る。
あなたの好きな色を見つけにきてください。”
エマニュエル・ムホー (2013年9月)
「銀座の中の宇宙」
2016年7月9日~9月22日
東京都中央区銀座
東急プラザ銀座内
METoA Ginza
東急プラザ銀座の一角にある三菱電機の施設、METoA Ginza。ここで開催された「銀座の中の宇宙」展でインスタレーションを発表した。モチーフとしたのは、三菱電機が開発した準天頂衛星のセンチメータ級の測位精度。人工衛星の技術を美しく、親しみやすい表現で可視化した、来場者参加型のインスタレーションが誕生した。
準天頂衛星は、宇宙約4万キロメートル(32,000~40,000km)高度から自分のいる場所(x,y,z)を、センチメータ級の精度で測ることができる。日本の真上を通る正確な軌道により、日常的に使うGPSやカーナビの精度向上にも期待されている。このインスタレーションは、宇宙をテーマにした展示の中であえて視点を地球に向け、銀座の雑踏をイメージした100色に彩られた18,000人の同じ女性のシルエットで構成されている。人混みの中には女の子2人とネコ1匹が迷い込み、「迷子」を捜してもらうインタラクティブな企画で来場者と距離を縮める。
重なり合う女性のシルエットが成す世界。
ふと気が付けば、私たちは同じような日々を繰り返し、同じように見える人々が行き交う中に埋もれていく。
自分の存在と居場所を自分自身に問いかける。
WOOD FURNITURE JAPAN AWARD 2016
2016年3月4日-5日
SPIRAL hall / 東京
2016年1月20日-21日
No.9 RIVE GAUCHE /パリ
concept : bunshi /分枝
パリからの凱旋となるWOOD FURNITURE JAPAN AWARD 2016展が表参道のスパイラルで開催された。パリ展と東京展、両展示の会場構成を担当し、「分枝」という共通のコンセプトを基に空間をデザインした。「分枝」には、デザイナーや職人たちが出会い、貴重な経験と共にそれぞれの新しい道へと進めるようにと意味を込めた。
「分枝」ひとつひとつは小さいオブジェだが、集まると森のように包み込む空間を作りだした。スパイラルホールでは、正確に整列された2万本の「分枝」が大空間を埋め尽くし、微かに揺れ動きながら重なり合い、有機的でダイナミックな空間を生み出した。森の中に埋もれるように存在する1本のトンネルを歩くと、周りの色が少しずつ変化し、100色のグラデーションを浴びることができた。
エントランスには、100色で彩られた日本の木58種類、100文字が躍るインスタレーションを展開した。
Tokyo photos : © WFJA2016 / design: emmanuelle moureaux / photo: Daisuke Shima (Nacasa & Partners)
Paris photos : © WFJA2016 / design: emmanuelle moureaux / photo: Shoichi Kajino
2012
東京都練馬区旭丘
concept : レインボーシャワー
巣鴨信用金庫は「喜ばれることを喜びに」をモットーに「ホスピタリティバンク」目指している。一貫して求められているのは「1秒でも長く居たくなる信用金庫」。
敷地は多くの店舗が並ぶ商店街で、交通量の多い通りと幅員の狭い歩道に面している。街との距離感がとても近い店舗だったため、その雰囲気をカラフルな色と一緒に店舗内に混ざり合うように取り込もうと考えた。建物は敷地境界から2m程セットバックしデッキスペースを設け、そこへ高さ9mのカラフルなスティックを虹のシャワーのように見立て街に余裕と色彩を還元した。
エントランスを入るとそこは店舗内に連続する中庭の一部だと分かる、これも外と内が混ざり合うような仕掛だ。店舗内で中庭を横切るとそこは光溢れ、まるでカフェのような吹き抜けのフリースペースとなる。見上げるとカラフルなスティックと中庭に植わる青竹が呼応するように伸びている。
外部のデッキスペース、内部のフリースペース、外部の中庭、内部の窓口が四層を構成し、この幾重にも重なったレイヤーがガラスに反射し複雑な影と共にさらに混ざり合い奥行き感を出している。
2016
for 東京西川
今年創業450周年を迎えた日本を代表する寝具メーカー「東京西川」とのコラボレーションにより、カラフルでデザイン性に富んだ寝具ブランド「ゆらりろ」がデビュー。
日本が誇るタオル製品の名産地・今治との共同開発のもと、カラフルな色使いと使い心地にもこだわった次世代のケット6種類を開発した。デザイン性に加え、ケットを使う上で「洗濯しても乾きにくい」「パイル抜けが気になる」など消費者の悩みを、匠の技術を駆使して1つ1つ解決している。
ケットの他に、4色展開の合繊肌掛けふとんもデザインし国内で生産した。
「色に触れて安らぎ、色を眺めて楽しむ。ゆらりと揺れる色にくるまり、カラフルな夢の世界で心地良く眠る」をテーマにしたデザインは、春から夏まで長く使用でき、カラフルなレインボーカラーと使い心地が快適な眠りへと導いていく。
商品名 :
タオルケット
・蛍の散歩道
・そよ風に乗って
・夕空
・朝空
ガーゼケット
・蛍空(黒/グレー)
合繊肌掛けふとん
・かき氷
(みかん/いちご/まっ茶/みぞれ)
2015年11月26日
東京都港区芝公園
増上寺
イタリアのライフスタイルブランドFURLA(フルラ)の2016春夏コレクション展示会を増上寺で開催。2015秋冬コレクションに引き続き、今回も会場構成と新たなコレクションを彩るインスタレーションを手掛けた。
増上寺光摂殿内で行われた前回の展示会と変わり、今回はその手前にある外のピロティが会場となった。黒い空間で作られたレセプションを通り抜けると、カラフルな春の世界が来場者を出迎える。「hanami」と名付けたインスタレーションはピロティの柱を木の幹に見立て、上部に細く長い100色の紙を密集させたカラフルな花の咲く木々をイメージ。
僅かに揺れる細い色の線で作られた花の間から、色に染まった木漏れ日が差し込む。凛と佇む色とりどりの木が並ぶ光景はまるで公園の一角にたどり着いたかのように思わせる。本コレクションのテーマである「lights of color」を連想させる幾何学模様や大胆な色使いが施された商品は、花々の色と呼応するようにディスプレイされている。木の幹にはそれぞれ棚を設け、咲き誇る花の下で花見をしながら新作コレクションを堪能する。明るく清々しいインスタレーションと展示品と共に、春夏の季節を肌で感じられる会場となった。
AnyTokyo 2015
2015/10/24~11/3
東京都港区芝公園
増上寺
1坪の小さな空間に凝縮された100色。AnyTokyo 2015 で発表した100色シリーズの新作は、風になびく細く繊細な100色の下で寝転び、 自分だけの色の空間を楽しめる作品である。
増上寺本殿と東京タワーを背にぽつんと佇む1坪の空間。遠くから眺めると色が凝縮されたボリュームとして見え、近づいていくと風になびく柔らかな色で創られた空間がある。縁側に腰掛けると100色の細い紙がこすれ合う音が聞こえてくる。畳に横になり上を見上げれば、風と共になびく100色の空が広がっている。
100 colorsシリーズについて
2013年から手掛けている「100 colors」は、100色で空間を構成するインスタレーションシリーズ。環境に合わせて色のかたちを変化させ、色の魅力を最大限に引き出している。一目で視界に入る100色を全身で受け、色そのものを感じてもらう作品である。
1995年に初めて東京を訪れた時、東京の街に溢れる「色」がエマニュエルの心に大きく影響を与えたように、彼女が創り出す色がたくさんの人々の心に届くことで、人々の色に対しての意識が少しでも変わるきっかけになってほしいと願っている。100色を見て、触れて、心で感じ、色を通してエモーションを感じてもらいたい-この思いを胸に、今後も「100 colors」を世界各地で展開していく予定である。
“はじめて東京の街を見た時、街に溢れている色に衝撃を受け東京に住もうと決めた。
ボリュームの異なる建物、そのスキマに切り取られた空、看板、電線など、街は様々な「レイヤー」で構成され、その中で溢れ出しそうな無数の色が幾重にも重なり合い、複雑な奥行きを作っていた。
東京で感じた「色」と「レイヤー」は私のデザインコンセプト色切/shikiriの原点である。
東京を見て感じた気持ちを大事にして事務所設立10年を向かえた今、色の魅力を最大限に表現して、たくさんの色が溢れ出す感覚を共有したい。
その想いからここ東京で100色の空間を創る。”
エマニュエル・ムホー
(2013年9月)
2016
東京都渋谷区神宮前
concept : 図書館
「CORAZYs (カラジー)」は色から始まる世界を表現したホームインテリア雑貨専門店。約150品目もの商品は全てオレンジ、ピンク、グリーン、ブルーの4色で取り揃え、すべての商品を世界に通用する本物、Made in Japan にこだわる。今回店舗デザインを手掛けた表参道にオープンする第一号店は、たくさんの物語が詰まった「図書館」のような空間でお気に入りの1冊=雑貨に出会ってほしいという想いを込めた。
色とりどりの大きな本をたくさん並べた空間はまるで色の図書館のようである。外から見るとカラフルに見える店舗は、中に入って気になる雑貨に近づくと、そこには大きな棚で仕切られたオレンジ、ピンク、グリーン、ブルー、各色だけの小さな4つの世界が明確に作られている。お気に入りの色の世界に入れば、例えば、ピンクの世界の中にはさらに様々な色合いを持つピンクの本が並ぶ。手前が淡く、奥へ行くほど濃くなるグラデーションを配し、空間に奥行き感を与えている。これらの本は1冊1冊丁寧に製本された本物の本。CORAZYsの本物へのこだわりを本にも表現した。本と同様に雑貨も多品目が並び、本を手に取るように雑貨を手に取ってそれぞれの物語を想像する。また、4色の世界は棚を介してつながっているため、奥の棚の色が重り合って見えてくる。各色だけの世界と同時に、カラフルな溢れる色に包まれる空間も楽しむことができる。
CORAZYsの最大の願い、それは日々の生活をワクワク感、充実感、安心感、幸福感で拡充していただくこと。その願いを「図書館」に詰め込み、お気に入りの1冊=雑貨と出会うために通いたくなる空間を目指した。
2020
台北 (台湾)
concept : shine
2020年、台湾の首都台北市に地下鉄環状線(Circular Line)が開通する。台北市中心部より放射状に広がる既存路線を大きな円を描きながら統合し、交通網を飛躍的に向上させる画期的な路線である。この計画と建設を行っている台北市政府捷運工程局(DORTS)は、交通機関である環状線そのものを街のパブリックアートとして展開する世界で初めての計画を試みている。2011年に、この壮大なプロジェクトへの参画依頼をDORTSより受け、色を用いるアーティストとしてパブリックアートを手掛けることになった。
環状線は総距離34.8kmとなる地下鉄であるが、そのうち14.5kmは地上を走っている。プロジェクトは街の人々により密接に関わるこの地上部分を対象に展開しており、スチール梁8km、遮音壁10km、高架下のスチール柱200本、プラットホーム13駅、橋1ヶ所、そして4両編成車両の外装と内装等、手掛けたアートの範囲は多岐に渡る。また2019年に開通するまでの期間に、台北市民や小学校教員を対象とした色のワークショップ等、エマニュエル本人が行うアートイベントも開催される。
コンセプトである「shine」は台北市政府捷運工程局が掲げた環状線のテーマ「駆け抜ける雲のように、龍は数千マイルの旅をする」という一文と、ラインカラーである「イエロー」にインスピレーションを受け生まれた言葉である。テーマの中に登場する「龍」 、そして「イエロー」から連想した太陽の光のイメージを元に、駆け抜ける龍のウロコに光が反射し環状線全体にその輝きが広がるようにと想いを込め、輝きを意味する“shine”というアートコンセプトに決定した。
このコンセプトに基づき、5色のイエローをベースに街中にアートを展開しているのがプロジェクトの特徴となっている。そしてその中に虹色が現れる特別な場所を1つだけ演出している点も、エマニュエルが仕掛けたサプライズとして楽しみにして頂きたい。
街中に展開する壮大なパブリックアートが台北市民の暮らしに輝きを添えることを願い、プロジェクトは現在進行中である。
photo : DORTS (Department of Rapid Transit System)
2014
茨城県水戸市
concept : いえが並ぶ小さな街のようなファミリー空間
「ママスマイル」は主にショッピングモール内に展開する親子のための室内遊び場。新たなブランドコンセプト「いえが並ぶ小さな街のようなファミリー空間」と店舗デザインを総合的に手掛け、「あそび場」と保育園を隣接させたファミリー向けの複合型施設が水戸に誕生した。ショッピングモール内にいながらも、家にいるような安らぎのある空間創りをしている。
あそび場には真っ白なエントランスの壁に子供が描いたような「いえ」のカタチに切り抜かれた開口を設け、そこをくぐり抜けるとイエロー、ピンク、グリーン、ブルーなどの7色の「いえ」が並ぶ色溢れる世界が広がる。訪れる人にとっては小さな街のようであり、家にいるような心地良さもある。色とりどりの「いえ」で仕切られ、あえて全体を見渡すことの出来ないレイアウトは、路地裏や家々の隙間から様々な発見をするような好奇心を促す。小さな街の「路地」にはカフェスペースが点在し大人同士で会話を楽しみながら寛ぐことができる。またカラフルな空間は「色育」の観点からも子供の心の成長を手助けすることが期待される。
あそび場には性格の異なるエリアが幾つか設けられている。誕生日会などのイベント会場としても利用できる「みんなのひろば」、ゲームやダンスなどの様々な催しを行う「イベントひろば」、子供が思いきり体を動かせるエアー遊具のエリア、そして赤ちゃんのための「はいはいひろば」とその周囲のカフェスペースは大人が同じ目線でいられる様に座布団敷になっている。これらのエリアは「いえ」によって緩やかに仕切られており、各エリアが全体と自然に繋がることで、お互いの気配を感じながら過ごすことができる。
無邪気に遊ぶ子供の姿を大人が安心して見守ることができる場であると共に、子供が色溢れる空間で豊かな感性を育むことを願っている。
※「色育」とは:色の効果を利用して、子供の「集中力」、「想像力」、「コミュニケーション力」を育むこと。
TOKYO DESIGNERS WEEK 2014
100色に身を包む - 色を肌で感じる感覚、新たな色の体感をminoで表現した。
蓑-みの。たくさんの藁(わら)を束ね体を覆うように編み上げたもの。雨風や寒さをしのぐため衣服の上から羽織る日本古来の外衣である。細く長い100色の紙を束ねたmino。身にまとい歩み出すと、色も風に乗って流れ出す。
100色を独自の配列で構成、1束30枚ずつ積層した紙の束を連ねることで深みを与えた。表層の色が舞い上がると隠れていた色が姿を見せ、瞬間的に100色が立ち現れる。今回、レディースとメンズの異なる2種類をデザイン。レディースは5mm幅に切り出した紙3450枚を重ね、しなやかな動きを作り、メンズは20mm幅1140枚を積層し一体感のある動きで力強さを持たせた。ショルダーバックも風を受け爽やかになびく5mm幅の紙100色をあしらいデザインした。
色鮮やかな優しい風を連れ軽やかになる足取り。いつもと変わりない街並みに清々しい景色が広がっていく。
2014
埼玉県川越市
concept : シャボン玉の公園
真寿園は指定介護老人福祉サービスを行う施設。高齢者個人の生活を大切にし、地域の人々の心豊かな生活も支援している。今回リニューアルした施設の一部である地域交流スペースと食堂は入居者と家族が談話をしたり、施設利用者の憩いの場である。
浮遊するシャボン玉のようなモビールがエントランスから見え、歩みを進めると公園のようなラウンジが広がる。グリーンで彩られたラウンジチェアに腰掛け見上げる天井には、カラフルなモビールが穏やかに揺れ動く。ラウンジは食堂・さをり工房・陶芸工房など他空間へとつながる。食堂には空を思わせるブルーで彩られたダイニングチェアを配置。白い棚で空間を仕切りながらも棚を介してモビールの動きを食堂からも楽しむことができ、棚には手織りや陶芸作品が飾られる。屋内に居ながらも緑と空・動く風を感じ、やさしく踊るようなモビールが時を忘れさせる。モビールに魅せられて人々が自然に集まり、思い思いの過ごし方で誰もが心安らげる空間をデザインした。
新宿クリエイターズ・フェスタ2014
2013年に新宿三井ビルで発表した100色のインスタレーションを、引き続き新宿クリエイターズ・フェスタ2014にて発表。高層ビル街の中にたたずむ緑豊かな新宿中央公園で行った自身初の屋外インスタレーション。今後100色のインスタレーションを世界各地で展開することを試みており、今回はその第二弾となる。
2013年は100色の紙を用いたが今回は屋外のため風を感じることのできる布を選定した。染料を一色ずつ繊細に調合し独自の100色を創り、布を一枚一枚丁寧に染め1875本もの帯を切り出した。
街に色の風を吹き込み夏の暑い日差しの中に優しい影を落とす100色の帯。高層ビル街を背に色と街とが重なり合い生まれた非日常的な風景は道行く人々の目を奪う。都心のせわしなさから解放され、心が洗練されるような圧倒的な色のインスタレーションとなった。
2014年8月-10月
東京、ニューヨーク、サンフランシスコ、上海、ベルリン、ロンドン、パリ
concept : thin thin thin
ユニクロ秋の定番「エクストラファインメリノ」。なめらかで着心地の良い良質な羊毛、その繊細さを細く長い糸で表現するインスタレーション。
銀座旗艦店、ニューヨーク5番街店、ロンドン311オックスフォードストリート店、パリオペラ店など、海外グローバル旗艦店を含めた世界6か国で同時展開。
無数の糸でできたボリュームが立体的に交わり合い、色が三次元的に重なり合う空間を創り出す。そしてメリノウールをまとったマネキンは糸のボリュームによりできた空間に佇み糸と重なり合う。銀座旗艦店では1階ガラスケース内に60色2,420本の糸が床から天井に向かって放射状に広がり、それを立体的に交差させることで、色の重なりによる表情の変化を様々な角度から体験することができる。ファサードのガラスケースには、細い線の集まりを表現するグラフィックパネルとガラスに施した線のシートの層が重なり合う。
2014年3月-4月
8ヶ国26都市51店舗で展開
concept : colorful wind
春を彩るユニクロの新商品「リネン」の軽やかさ、清々しい着心地、柔らかさとしなやかさを表現するインスタレーションを、銀座旗艦店をはじめ、ニューヨーク5番街店やロンドン311オックスフォードストリート店など、海外グローバル旗艦店を含めた世界8ヶ国26都市51店舗でディスプレーウィンドウで同時展開。
100色の紙の帯がマネキンの上で揺れ動き、まるでカラフルな春風をマネキンがまとっている様子を表現した。インスタレーションを行った最初の店舗銀座旗艦店1階ガラスケースでは、長さが4.7mの帯が2階から2400本吊られている。
サーキュレーターにより揺れ動く色の帯の中で、リネンを着たマネキンが春の訪れを感じさせる。そしてファサードにはガラスケースと同じ100色の正方形が7mの高さまで敷き詰められ、色が春風に舞い上がる様子を表現している。
2014年6月7日-11月23日
ヴェネチア(イタリア)
concept : shikiri / see beyond colors
リアルト橋のそばに建つパラッツォベンボで開催される企画展「Time Space Existence」、世界各国から集まる建築家の一人として作品を展示。
ビエンナーレの総合テーマ「Fundamentals」は建築の基本的な要素を見つめ直し、改めて考える機会を与えてくれた。そこで建築家として大切にしてきたデザインコンセプト「色切/shikiri」と向き合い、その要素を抽出して表現することにした。
「色切/shikiri」は今まで手掛けたプロジェクトごとに、その時その場所に適応するよう形や仕様を変えてきた。常に進化し、面から始まったコンセプトは線や点にも発展してきた。
本展では、面と線の「色切/shikiri」を建築的視点から捉え、様々なスケールや高さに吊られた6つの模型により立体的に表現している。36色に彩られた面1,390枚と線12,100本の「色切/shikiri」は、構造でありながら空間を色で構成する要素として、繊細な色のグラデーションの世界を創りだしている。
AMBIENTE 2014
フランクフルト(ドイツ)
フランクフルト国際見本市会場で開催されたAMBIENTE 2014に(社)ジャパンクリエイティブの「マニュファクチャー×デザイナー」プロジェクトの1つとして、合成樹脂製品の加工・販売を手掛ける(株)三洋とのコラボレーションでできた作品。
ソフトPVCは高い透明性と発色性に優れ多様な加工が可能な素材だ。ソフトPVCの薄く消え入りそうな透明感と柔軟な動きから空気を優しく包み静やかに変形する泡を連想しモチーフとしてデザインした。
泡のより繊細な表情を表現するため、面を見せる一般的なPVCの使い方ではなく、厚さ0.15mmの薄いソフトPVCを、幅10mmの帯状に切り出して小口を見せる新しい手法を用いた。小口が形作る様々な五角形の泡をいくつも組み合わせ1モジュールを形成し、14色に染め分けた182個のモジュールをつなぎ浮かせる。虹色に輝くシャボン玉のような泡が空中に浮き、穏やかに揺らぎながら重なる美しい風景。これまでにない淡くほのかな空間構成はソフトPVC本来の魅力と新たな可能性を見いだした。
ANY TOKYO 2013
コカ・コーラは、デザイナートーマス・メイヤーホッファーを起用し、コカ・コーラの新たなアイコンとして新作グラス「Heritage Glass」を発表。パリのセレクトショップコレットでの発表に続き、東京ではエマニュエル・ムホーによる幻想的なインスタレーションを行った。
"sparkling bubbles" と名付けられたこのインスタレーションは、800個もの透明アクリル球を使用し、コカ・コーラのフレッシュなスパークリング感、はじけるバブルを表現している。
そのバブル一つ一つの中には細かな泡が閉じ込められており、まさに空中に浮かぶスパークリングそもののように感じることだろう。そしてそれらのバブルは、このインスタレーションのためにつくられた34色の繊細なグラデーションカラーに染められている。
光の反射、色の重なり、様々な要素が混ざり合うことで見える幻想的な風景。見る角度によって多様に変化する姿は、コカ・コーラを飲んだ時に感じる様々なエモーションを表現している。
新宿クリエイターズ・フェスタ2013
新宿クリエイターズ・フェスタ2013で発表したインスタレーション。100色という圧倒的な色の数・存在感で会場を彩った。「今日の気分は何色ですか?」と題し来場者に会場壁面に貼った同じ100色のカラーチップから選んでもらった。
“はじめて東京の街を見た時、街に溢れている色に衝撃を受け東京に住もうと決めた。
ボリュームの異なる建物、そのスキマに切り取られた空、看板、電線など、街は様々な「レイヤー」で構成され、その中で溢れ出しそうな無数の色が幾重にも重なり合い、複雑な奥行きを作っていた。
東京で感じた「色」と「レイヤー」は私のデザインコンセプト「色切/shikiri」の原点である。
東京を見て感じた気持ちを大事にして事務所設立10年を向かえた今、色の魅力を最大限に表現して、たくさんの色が溢れ出す感覚を共有したい。
その想いからここ東京で100色の空間を創る。”
2013
spiral online store
福永紙工ネットストア
世界中で楽しまれているゲーム「ミカド」を何枚もの紙を重ねて創作。紙の層が創り出す色鮮やかなグラデーションが机を彩ります。
散らばって重なり合った41本のスティックスの中から周りのスティックスを動かさずに1本ずつ取っていき、最も多くのスティックスを取った人が勝ち。スリムなパッケージは毎日のアイテムとして気軽に持ち運ぶことができ、いつでも、どこでも、誰とでも、遊ぶことができるゲームです。
2013
Wallpaper* Handmade
ミラノ (イタリア)
for schönbuch
2013年ミラノサローネにて「Wallpaper* Handmade」プロジェクトとして、ドイツの家具メーカーSchönbuch社とのコラボレーションでできた作品。
以前建築設計を手掛けた巣鴨信用金庫志村支店のコンセプト「虹のミルフィーユ」を、全く別のスケールであるファニチャーで表現することにチャレンジした。
カラフルなシートが紙のように空間に舞い上がり、偶然レイヤー状に積み重なったイメージ。レイヤーの枚数によってファニチャーの高さも機能も変わり、マルチカラー21枚を重ねたキャビネット、グリーンブルー系の12枚でサイドキャビネット、イエローピンク系8枚でベッドサイドキャビネットの3種類をデザインしたが、ローテーブルやシェルフなど展開は様々に可能。レイヤーは隠れ引き出しになっており意外なところが開く楽しさがある。
2003 - 2014
全国に142スタジオを手掛けた
現在全国に約140のスタジオ展開している料理教室。2004年以降、各スタジオのデザインを手掛けている。
料理教室らしくない空間、カフェのような明るくて楽しい空間を目指し、イエロー、オレンジ、ピンク、レッド、グリーンなどの8色をファサード、壁、家具に散りばめ、「世界中に笑顔のあふれる食卓を」というABCの想いにふさわしい遊び心のある空間にしている。
優しいピンクをメインに広がっている色のパレットがキャンディーのように美味しそうな空間に仕上げている。ファサードを見た瞬間に認識されやすいブランドイメージをつくることに成功し、高い評価を得ている。
abc kids
2005~
全国に25スタジオを手掛けた
全国に展開している料理教室ABC クッキングスタジオのキッズ版であるabc kidsは、4歳から12歳までの子供を対象とした「食」のスクール。提案したのはピンク色のシンクや三日月型のテーブルなど、実用的である上にカラフルで愛らしいデザイン。家具など子供サイズにスケールダウンしながらも、ランダムな配置によって全体としてダイナミックな広がりをもった空間にした。
2013
Ginza POLA THE BEAUTY
東京都中央区銀座
高層ビルをイメージした作品。色と空間が織り成す心地良いリズムは、通り行く人の心を元気にしてくれるはず。
2013
埼玉県入間市
岡山県倉敷市
ビルの隙間から覗く空の青、街角に佇む公園の緑、色とりどりな夜のネオンは街で出会う風景。どこまでも広がるチューリップ畑のマゼンタや黄色、透き通るような湖の淡い青、風に揺れる桜の薄ピンクは旅先で出会う風景。日々感じ方が変わる様々な風景を四角く切り取り、その色をリズミカルに空間に散りばめ楽しさと温もりのある店舗を目指した。
切り取られた四角形は800mm×160mmにモジュール化されたブロックになり、ディスプレイや什器、鏡なども全て同じ寸法で構成されている。
単調になりがちなディスプレイは、ブロックを使った段差によってリズムや遊び心のあるディスプレイに生まれ変わった。また壁付けのディスプレイ以外はブロックを自由に動かすことも出来、風景をイメージした各カラー部分は季節毎に色を変えられる等、フレキシビリティのあるデザインを提案した。
2012
京都大学医学部附属病院
京都府京都市左京区
concept : ito (糸)
京都大学医学部附属病院の先端医療機器開発・臨床研究センターにおける、2階・3階部分の空間デザインを手がけた。このフロアは、キャノン株式会社と京都大学が使用しており、これから研究に協力する方々や、数え切れない人々の協力で成り立つプロジェクトとなる。
様々な領域で働いている一人一人の想い、知識と技術が出逢って新しい可能性へと繋げていく。糸と糸を紡ぎ、強くしなやかな布を織るように、目に見えない人々の想いを繋いでいく「糸」を空間で表現した。
具体的には、糸をモチーフに臨床・研究センターの2階・3階を結び、一つの大きな流れをデザインした。糸は各部屋の壁や天井を通りながら、2階では横に、3階では縦に様々な方向に広がりリズムを作っていく。また人と人が出逢うことで新たな可能性が生まれるように、糸と糸が交差するところにそれぞれ異なる色が現われ、まるで風景のような色の組み合わせが生まれる。
田んぼのグリーン、空のブルー、桜の薄いピンク、雪の白、夕暮れのオレンジ、白い水平線。医療施設にいることを意識させない、穏やかな気持ちで心地良く過ごせる空間を目指した。
2012
茨城県宇都宮市
TBC学院は北関東最大級のカレッジグループ。宇都宮に新設する調理師専門学校の空間デザインを手掛けた。「わくわくするような五感を刺激する学びの空間」をコンセプトに、フードから連想される象徴的な色味を抽出しデザインに落とし込むように計画した。
2階はイエロー、3階はピンク、4階はグリーン、5階はブルーなど4つのフロアーにテーマカラーを設定し、それぞれに5階調の変化を持たせた。そして1階は学生が活発に行き交う場所となるよう、2~5階全てのテーマカラーを使用したマルチカラーの空間とした。
1階のデモンストレーションルームではステージ階段蹴上に明るい色、両側の壁には濃い色を配したコントラストで水平、垂直方向に伸びるように立体感のある構成とした。学生は17色の椅子からお気に入りを選んで座ることができる。
校内壁面に施された同系色のグラデーションや正方形モチーフにより、軽快なリズムと色のなかを散歩しているような感覚が生まれた。
DESIGNTIDE TOKYO 2012
「時」という普遍的要素と、
「色」という感覚的要素
異なる両者が交わったとき、
エモーショナルな「時」の世界へと誘われる
2012
伊勢丹新宿店
日本橋三越本店
ISSEY MIYAKEのイベントbloom bloom bloom用のステージデザインを担当した。
宮前義之氏がISSEY MIYAKEの新デザイナーに就任後初めてのコレクションBLOOM SKINの展開に合わせ、新しいISSEY MIYAKEと春が「bloom = 咲く」というテーマで、伊勢丹新宿店と日本橋三越本店にて開催された。
コレクションの服はとても柔らかく透明感のあるデザインであるため、それとは対照的に直線的なデザインの花stick flowerを提案した。直径約1.4mの色鮮やかなstick flowerを立体的、平面的に扱い、ステージ全体が咲いているように表現した。stick flowerは、2010年青山にあるISSEY MIYAKEの3店舗で手掛けたショーウィンドーデザイン sticks や、2011年 DESIGNTIDE TOKYOで発表した toge から進化させたものと言える。
ステージデザインの他ロゴ、百貨店の屋外看板のデザインも担当した。またstick flowerはイベント限定のTシャツをはじめ、アクセサリーや小物のパッケージデザインにも使われた。
DESIGNTIDETOKYO 2011
Prismic Gallery 2012
”鋭く尖った突起
それは他者を寄せ付けまいとする攻撃性の表れ
そして自らの弱さの表れ
攻撃性と脆弱さ
相反する二つの感覚に包まれたとき
思わず手を伸ばし、その痛みに触れてみたくなる”
togeはモジュール型のプロダクト。個々では棘のように硬く鋭いが、互いを自由に絡めることで自立し優しく柔らかい空間を構成することが出来る。
DESIGNTIDEでは15色のカラフルなtogeを500個絡ませて一着のウェディングドレスに仕立てた。硬いけれど柔らかそう、痛そうだけれど優しくも見える相反する感覚を持ったコンセプチュアル作品。
2011
バージニア州(アメリカ)
ワシントンDCエリアで誕生したヘルシー志向のフローズンヨーグルトの店「bluberi」。事業拡大に伴いそのコンセプトデザインと、2店舗目に当るStonebridge店のインテリアデザインを手掛けた。
「美味しく、楽しく、ヘルシー」はベースとし、多店舗展開が前提であることから、更に「覚えやすく、広がる」コンセプトを設定。
インテリアは店名のbluberiからくるブルーべリーの果実にみずみずしく弾けるような13色を配色し、その果実を付けるブルーベリーの木が勢いよく枝を伸ばしていくイメージを表現している。 照明、ファニチャー選びにおいても果実の丸みを意識し統一感を出した。
ノンファットで体に優しい材料のみを使用したフローズンヨーグルトの店に相応しく、透明感のある色彩、有害性有機物不使用のベンジャミンムーアの塗料を使用するなど、店舗に使用する素材にもこだわった。
ブルーベリーの木のモチーフはカードやwebサイト等の販促ツールにも起用され、空間デザインに合わせてロゴの色も変えるなど、トータルにブランドイメージを作ることに繋がった。
29歳の若いオーナー夫婦の想いが詰まった店舗になった。
DESIGNTIDE TOKYO 2010
Prismic Gallery 2012
”自然界で植物が見せる美しさ。木々の連なりや、花の彩り、葉脈の流れ、細胞の結びつき。全ては規則正しい調和をもっている。
edaはその自然界の法則に従い、フォルムを決定している。edaは繊細な線の集まり。ひとつひとつは真直ぐに存在し、大きな複雑が、小さなシンプルを内包している。
生物学的なフォルムが、リズム良く重なり、空気と空気を結びつけ、新しい空間の秩序を作り出す。”
edaは小枝をモチーフにしたモジュール型のプロダクト。互いを自由につなげて空間を構成することができる。デザインタイドトーキョー2010にて発表し、吊られた900本のカラフルなedaと、床から自立した1100本の白いedaによって空間を構成した。
2010
ISSEY MIYAKE (men, women)
PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE
東京都港区南青山
concept : アンバランスなバランス
ISSEY MIYAKEとPLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE。
2つの空間をつなぐ411本のsticks。
その色と影は浮いたり重なったり。
新しいかたちの空間を生み出す。
sticks1本1本が
自由に空中へ飛び出していく。
重力から解放されたかのように
空気の中で動きを止める。
そして、時間を止めたかのような
アンバランスなバランスが生まれる。
DESIGNTIDE TOKYO 2009
Prismic Gallery 2012
一本一本ではとてもか細いスティックたちが、56本も集まって支えるローテーブル。たくさんのスティックがランダムに配置されている様子は、カラフルな芝生のよう。天板を覗くと、封入されたスティックがまるで増えたり減ったり折れ曲がったりしているように見え、アクリル特有の光の屈折が起こすさまざまな現象に驚かされる。
2009
CS Design Center
東京都中央区東日本橋
1100色をディスプレイしている中川ケミカルCSデザインセンター。今回はイエロー、レッド、グリーン、ブルー、ブラック、一色ずつにフォーカスをあてる。空間が一色ずつに染まって、そしてカレイドスコープ(万華鏡)のように変化していく。普段気付かない色そのものを意識しその色を再発見するというコンセプトで、5ヶ月間ものあいだひと月毎に展示空間を変化させた。
2009
完売
「アクリル×こもの」は、アクリルのみを使用したプロダクトシリーズ。様々な色が重なり合い、反射や屈折が繰り返され、数え切れないほどの表情が生まれます。SVC(NPO法人しずおかコンテンツバレー推進コンソーシアム) と日原佐知夫によるマッチングからスタートしたプロジェクトで、株式会社ポーラ、WAAZWIZとの共同開発を経て2009年「DESIGNTIDE TOKYO」にてプロトタイプを発表しました。2010年、『ポーラ ザ ビューティー 銀座店』にて発売開始。
パズルボックス
日本の提重から発想を得た小物入れ。立体パズルのように自由にパーツを入れ替え、様々な色の組み合わせを楽しむことが出来る。化粧品やアクセサリーをコンパクトに収めたり、文房具などのデスク周りの収納にも。
木立/アロマ
森の木立からインスピレーションを得たアロマスティックスタンド。透明アクリルブロックに色のアクリルがリズミカルに封入され、屈折や反射によって、豊かな表情を見せている。
かさね
重なりあった色の層に透明度の高いアクリルを織り交ぜ、色の帯が浮いているように見えるペン/ブラシスタンド。デイリーユースのペンやメイクブラシに華やかさをプラス。
色切箱
デスクまわりに彩りを添え、楽しみながら整理することを考えた名刺ボックス。
12色の色切/shikiri(色の間仕切り)は取り外し可能。
木立/花瓶
森の木立からインスピレーションを得た花瓶。透明アクリルブロックに色のアクリルがリズミカルに封入され、屈折や反射によって、豊かな表情を見せている。
100% design TOKYO 2007
100% design LONDON 2008
DESIGNTIDE TOKYO 2008
Prismic Gallery 2012
concept : アンバランスなバランス
数年前から構想していた椅子を100% Design Tokyo 2007で発表した。
建築的であるこの椅子は、ばらばらでランダムな7本のスティックが、重い透明なアクリル座面を支えている。スティック のアイディアはヨーロッパの玩具"MIKADO"からイメージしたもので、できるだけ細く(φ18)、角度をつけ構造的に不安定に見えながらも安定させる"アンバランスなバランス"に挑戦した。
スティックはアクリルの中で、水中での屈折、反射をしているかのように複雑で美しい表情を見せている。
2007
東京都中央区東日本橋
concept : touch the COLOR
カッティングシート(CS)でお馴染みの中川ケミカルのオフィス&ショールームをデザインした。
1100色以上のカラープレートが収まる透明なショーケースは、あたかも色が宙に浮いているように演出。選んだカラープレートは48種類のライトボックス(ワット数の違う白熱灯、蛍光灯、LED等)に入れて様々な光との組み合わせを試すことが出来る。
可動式の大型ガラスは大面積でのディスプレイ用。オフィスエリアまでつながる天井レールを利用して自由に配置し、色切/shikiriの効果も体感できる。
2003
東京都渋谷区明治神宮前
メイクのコンサルテーションやレッスンを行うサロンとオフィスエリアを隔てる色切/shikiriとして、高さ1900mmの透明ガラスパーティションをデザインした。目線より少し高いくらいの位置までを色とりどりのカッティングシートで覆う、プライバシーを考慮したデザイン。美容のプロであるBe Fineで働く女性にふさわしい、スタイリッシュな空間に仕上がった。