2017年11月16日~2018年1月8日
富山県美術館
"アートとデザインをつなぐ" 世界で初めての美術館として、2017年8月にオープンした富山県美術館。
開館記念展 Part 2 「素材と対話するアートとデザイン展」は、木や金属から新素材まで、素材とその変容を、様々な素材が放つ魅力、素材に触発されて生まれる、アートとデザインの世界を紹介する展覧会として開催された。
本展において、紙を素材として扱う新作 「COLOR OF TIME」 を発表した。
「色」という感覚的な要素に、「時間」という数学的な要素をかけ合わせ、視覚的に空間をつくり出す、時の流れを感じるインスタレーションである。
展覧会初日、2017年11月16日の富山県の空。06:30の日の出から、18:11の天文トワイライトを通って、色が見えなくなる真っ黒な19:49まで、計799分間において色が移り変わる。この時の流れを100色のグラデーションの変化で視覚的に表現した。
「COLOR OF TIME」 は、数字「0」から「9」と記号「:」を計12万ピースを3次元のグリッドに規則正しく配列し、空間を構成している。それらの数字と記号は、一見密度の濃い混在した集合体のようだが、実は1分刻みの「時間」を細密に表現している。
このインスタレーションは100層に分けて構成しており、それぞれの層には、左から右へ、そして奥へ流れるように時刻が刻まれている。一番手前の層は、淡い色と共に日の出06:30から始まり、時間の経過と共に層はゆっくりと濃くなり、最後は自身が今回初めて使用する色である「黒」で、色が見えなくなる19:49を表し、インスタレーションを締めくくる。
インスタレーションの中央がまっすぐに切り抜かれたトンネルの先には、自身の尊敬する倉又史郎氏の「ミス・ブランチ」が置かれている。これは、本展のキュレーターである富山県美術館の副館長により、エマニュエルから倉俣氏への尊敬の意を表現する軸線がつくられた。トンネルの中で、じんわりと滲みゆくグラデーションを全身で感じ、空の移り変わりを眺めながら、時の流れの中を散歩することができる。