WATCH ART GRAND EXHIBITION
2019年9月28日~10月13日
Sands Theatre
Marina Bay Sands
シンガポール
Installation:
”100 colors flowers”
スイス時計最高峰ブランドのひとつパテック・フィリップの時計製作の粋を、世界中の愛好家に向けて披露する「ウォッチアート・グランド・エグジビション2019」での会場インスタレーションを手掛けた。5回目を迎える今回は、ラッフルズ卿によるシンガポール上陸200周年に合わせ、シンガポールのシンボルとも言えるマリーナベイ・サンズで開催され、会期中68,000人と過去最大の来場者を集めた。
パテック・フィリップの世界観を堪能できる会場のホワイエには、シンガポール200周年を記念した特別な空間として、本インスタレーションが来場者を出迎える。作品は、シンガポールという国の精神 "Majulah Singapura"(『進めシンガポール』=シンガポール国歌)や、街や人の活気、生命に満ちた植物からインスピレーションを受け、フランジパニ(プルメリア)の花をモチーフとし、その美しさや、色、香りをイメージしながらシンガポール成長のダイナミズムを表現した。
11,500個の花で構成され、100色で彩られたインスタレーションは、美しい時計を高度な技で作り上げる時計職人の精神を反映し、花びらは一つずつ丁寧に手作業で高精度に制作された。カラフルで没入感のある本インスタレーションは、まるで空間が独自の時間を持っているかのようにゆっくりと時を刻んでいる。
100 colorsシリーズについて
2013年から手掛けている「100 colors」インスタレーションは、色の魅力を最大限に表現したくさんの色が溢れだす感覚を体感してもらいたいという思いから始まったプロジェクト。
空間を浮かび溢れ出す100色で構成し、場所によって色の材質や形を変化させ、既存空間に色を重ね合わせている。
1995年に初めて東京を訪れた時、東京の街に溢れる「色」がエマニュエルの心に大きく影響を与えたように、彼女が創り出す色がたくさんの人々の心に届くことで、人々の色に対しての意識が少しでも変わるきっかけになってほしいと願っている。
100色を見て、触れて、心で感じ、色を通してエモーションを感じてもらいたい-この思いを胸に、今後も「100 colors」を世界各地で展開していく予定である。
“はじめて東京の街を見た時、街に溢れている色に衝撃を受け東京に住もうと決めた。
ボリュームの異なる建物、そのスキマに切り取られた空、看板、電線など、街は様々な「レイヤー」で構成され、その中で溢れ出しそうな無数の色が幾重にも重なり合い、複雑な奥行きを作っていた。
東京で感じた「色」と「レイヤー」は私のデザインコンセプト色切/shikiriの原点である。
東京を見て感じた気持ちを大事にして事務所設立10年を向かえた今、色の魅力を最大限に表現して、たくさんの色が溢れ出す感覚を共有したい。
その想いからここ東京で100色の空間を創る。”
エマニュエル・ムホー
(2013年9月)