2012
京都大学医学部附属病院
京都府京都市左京区
concept : ito (糸)
京都大学医学部附属病院の先端医療機器開発・臨床研究センターにおける、2階・3階部分の空間デザインを手がけた。このフロアは、キャノン株式会社と京都大学が使用しており、これから研究に協力する方々や、数え切れない人々の協力で成り立つプロジェクトとなる。
様々な領域で働いている一人一人の想い、知識と技術が出逢って新しい可能性へと繋げていく。糸と糸を紡ぎ、強くしなやかな布を織るように、目に見えない人々の想いを繋いでいく「糸」を空間で表現した。
具体的には、糸をモチーフに臨床・研究センターの2階・3階を結び、一つの大きな流れをデザインした。糸は各部屋の壁や天井を通りながら、2階では横に、3階では縦に様々な方向に広がりリズムを作っていく。また人と人が出逢うことで新たな可能性が生まれるように、糸と糸が交差するところにそれぞれ異なる色が現われ、まるで風景のような色の組み合わせが生まれる。
田んぼのグリーン、空のブルー、桜の薄いピンク、雪の白、夕暮れのオレンジ、白い水平線。医療施設にいることを意識させない、穏やかな気持ちで心地良く過ごせる空間を目指した。