「新・日本の美意識」
2017年3月29日~4月17日
阪急うめだ本店
1階コンコースウインドー
大阪
concept : 襲(かさね)の色目
阪急百貨店うめだ本店で恒例となっている、日本の文化を今日的に洗練させたクリエーションを発信する「新・日本の美意識」キャンペーン。このテーマに呼応するように、1階コンコースの7つのウィンドウを「襲(かさね)の色目」をコンセプトにデザインした。
「襲(かさね)の色目」は、古来からの日本装束に用いられてきた日本独自の技法であり、それを100色の紙の重ねを用いて表現した。ウィンドウはそれぞれ、イエロー、ピンク、ブラウン、グリーン、ブルー、パープル、ホワイトで構成され、色のグラデーションの重ねによって生まれた三角形のボリュームが浮かぶ。ディスプレイされた日本の美意識を連想させる商品は、インスタレーションと響き合い上品で繊細な印象を演出した。100色のグラデーションと共に彩られたおよそ50mも続く7つのウィンドウは、1日約30万人もの人々が行き交うコンコースで雑踏に負けない圧倒的な存在感を放った。
100 colorsシリーズについて
2013年から手掛けている「100 colors」インスタレーションは、色の魅力を最大限に表現したくさんの色が溢れだす感覚を体感してもらいたいという思いから始まったプロジェクト。
空間を浮かび溢れ出す100色で構成し、場所によって色の材質や形を変化させ、既存空間に色を重ね合わせている。
1995年に初めて東京を訪れた時、東京の街に溢れる「色」がエマニュエルの心に大きく影響を与えたように、彼女が創り出す色がたくさんの人々の心に届くことで、人々の色に対しての意識が少しでも変わるきっかけになってほしいと願っている。
100色を見て、触れて、心で感じ、色を通してエモーションを感じてもらいたい-この思いを胸に、今後も「100 colors」を世界各地で展開していく予定である。
“はじめて東京の街を見た時、街に溢れている色に衝撃を受け東京に住もうと決めた。
ボリュームの異なる建物、そのスキマに切り取られた空、看板、電線など、街は様々な「レイヤー」で構成され、その中で溢れ出しそうな無数の色が幾重にも重なり合い、複雑な奥行きを作っていた。
東京で感じた「色」と「レイヤー」は私のデザインコンセプト色切/shikiriの原点である。
東京を見て感じた気持ちを大事にして事務所設立10年を向かえた今、色の魅力を最大限に表現して、たくさんの色が溢れ出す感覚を共有したい。
その想いからここ東京で100色の空間を創る。”
エマニュエル・ムホー
(2013年9月)